それでも彼女は歩きつづける(大島真寿美・小学館)を読んで
タイトルの彼女というの誰の事を言っているのか、最後まで分からなかった。
歩きつづける場面もなかったので、人生を歩きつづける、という意味かと思った。
映画監督の柚木真喜子が物語の主人公なのだが、柚木自身は物語にあまり登場しない謎の人という不思議感があった。
柚木が映画の賞を受賞したという事がやたら強調されている。
柚木にまつわるいろんな人が登場して、元カレだったり、ファンだったり、出演した女優だったり、柚木を好意的に思っていた人達が登場して、話自体は、その人の方が中心になっているという、ちょっと変わったストーリーになっている。
最終章の物語は全体のまとめの役割をしていて、爽やかさを残している。