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再び、これ一体何なの?〜毎日新聞「風地草〜矢野論文 掲載秘話」

先週、文藝春秋11月号「財務次官、モノ申す」という記事について、“これ何なの?“と書いた。本論文については、メディアでも色々取り上げられている。今週月曜日、毎日新聞の連載「風地草」では『掲載秘話』として解説されていた。これまた、“これ一体何なの?“である。

まずこの連載について。「風地草」は毎週月曜に掲載される連載、2面のトップという重要な位置に掲載され、書き手は特別編集委員の山田孝男、プロフィールを見ると1952年生まれ、政治部長、編集局総務を歴任、日本記者クラブ賞も受賞されている超ベテラン政治記者である。

この連載は面白い内容が書かれており、10月4日掲載の『渋沢資本主義を探す』では、新しい資本主義を創るにあたり、<突破と刷新を忘れてもらいたくない>と「安定」に傾くことへの警鐘を鳴らしており、もっともだと思った。

それだけに、今週の記事には首を傾げた。矢野論文については、様々な解説が飛び交うが、< 財務官僚のトップ、事務次官が矢野康治(こうじ)(58)であり、月刊文春の編集長が新谷(しんたに)学(57)だった。おそらくそれに尽きる>と書いている。

新谷学は、 以前に書いた柳澤健著「2016年の週刊文春」の中心人物であり、文春のデジタル戦略を推進、7月から月刊文藝春秋編集長に就任、今後の月刊文春には注目である。「風地草」によると、この深谷と矢野次官との関係性をもとに、新谷は<月刊文春はビルド(建設)のメディアでありたい。議論の材料を提供したかった>、そして矢野論文を11月号の巻頭記事とする。

ここまでは、政治記者として取材したファクトである。それは良いとして、私としては、これらを踏まえて、以下のような点のいずれかについて、もう少し踏み込んで欲しかった;

・矢野論文に対する意見
・政治と財務省の関係、問題点(ちなみに、文藝春秋同号、矢野論文とは無関係だが、ジャーナリストの後藤謙次は「岸田文雄『負の遺産』の相続人」の中で、安倍・菅政権によって<霞ヶ関の秩序は破壊され、政と官の関係は変質してしまいました>と書いている
・文藝春秋の動きを受けて、毎日新聞に足りないこと・メディアの使命

「風地草」は、矢野次官は安倍元総理と同じ山口出身、 2人は<正反対のビジョンを語っているが、安倍の声が少しくぐもってきたように思える>と結んでいる。そうなの?野党も含めてだが、私には“分配“という名のバラマキばかりが目立っているように思えるのだが。

毎週楽しみにしている連載、今週は私の期待とは乖離したが、今後もフォローしたい


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