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電子辞書を巡る旅(その1)〜英語から中国語へ

電子辞書を最初に買ったのは40年近く前だったと思う。ある金融機関の方と会食した際、「英語のペーパーバックを読む時に電子辞書を使っているが、誠に便利である」と話されていた。同席の上司と私は、早速電子辞書を手に入れた。もっぱら英語関連の用途だった。

最初に買った電子辞書は、高校時代から使い慣れた「新英和中辞典」(研究社)が収録されていた。その後、使用目的の中心が書籍を含む英語の文書を読むことから、それに即した辞書が欲しくなる。その為には、同じ研究社の「リーダーズ英和辞典」搭載のものが欲しくなる。

今、手元に残っているのは、ロンドン駐在時代、出張時にも活躍した、2008年発売セイコーインスツル(SII)製のSR-G7000Mというモデルである。「リーダーズ英和辞典第2版」「ジーニアス英和大辞典」が収録され、コンパクトなサイズで充電式のリチウム電池、重量145gと携帯には最適だった。

その後、スマホが出現したり、AmazonのKindleリーダーなどでは、単語の上を押さえると訳が出てくるといった機能が登場したが、電子辞書のお世話にもなっていた。

2011年に、ロンドンから香港駐在となったことを機に、中国語の勉強も少ししようと考え、中国語対応の電子辞書、カシオの『EX-word DATAPLUS6』(XD-B7300)を手に入れた。英語は「リーダーズ」は入っていないが、「ジーニアス英和大辞典」が収録されている。

これは本当に役に立った。中国語を学習されている方で、中国語対応の電子辞書をお使いでない方がいれば、是非お勧めする(今は、XD-Z8500というモデルになっている)。

中国語(普通語)の発音はピンインというアルファベットを使った英語的表現とイントネーションを組み合わせて表記される。イントネーション(声調)は、1〜4声と軽声に分類される。例えば、“ニーハオ“は、数字を使ったピンイン表記では "ni4 hao4“。4は下がって上がる声調なので、一般的な記号表記では、“nĭ hăo“となる。

上記の電子辞書で中国語を調べる一つの方法は、ピンインのアルファベット表記を入力する。声調を入れる必要はない。中国語の言葉を聞き、それをピンインに変換することができれば可能であるが、慣れるまでは難しい。“シェイシェイ“、“謝謝“を調べるためには、“xiexie“と入力しなければいけない。

中国人が言葉を放つ、音は分かるがピンインで入力することができない。次なる手段は、書いてもらう。あるいは、中国語の文章から発音と意義を知りたい。そんな場合、電子辞書には、「日本語読みから探す」という機能がある。例えば、“方便“。“方“、“ほう“と入力すると候補の単語が出てくる。中国語の発音では、fāngbiàn =ファンビエン、意義は<便利><都合がよい>といったものである。

さらなる問題は現在中国本土で使われている漢字は、簡体字という簡略化された文字で、中には検討がつかない物もある。“车“という字があるが、これは“車“である。電子辞書が便利なのは、こういう時の為に、「手書き入力から探す」という方法があることだ。「手書き機能」は、読みが不明な漢字を調べる時くらいしか使わなかったのだが、中国語学習ではフル活用した。

良い買い物をしたと、しばらくは満足していたのだが。。。。

香港にいる間の2011年に、三浦しをんが小説「舟を編む」を発表。翌年、本屋大賞も受賞した。この本を読んだことをきっかけに、国語辞典に興味が湧く。それはまだボンヤリしたものだったが、日本に帰国後数年経った2018年、「広辞苑」が10年ぶりの改訂となり、第七版が発行された。

ボンヤリとした興味が刺激され、新版の「広辞苑」を購入した。そして、電子辞書についても物色を始めた

続く


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