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今また手塚治虫「火の鳥」(その1)〜ディズニープラス配信の新作アニメ「火の鳥 エデンの宙」

ディズニープラスで9月13日から配信となったアニメ「火の鳥 エデンの宙(そら)」。言うまでもなく、手塚治虫のライフワーク「火の鳥」が原作である。

なお、エンディングが異なる映画版「エデンの花」が、11月公開予定となっている。

念のため、マンガ「火の鳥」を簡単に説明しておく。その生き血を飲むと不老不死になると伝えられる“火の鳥“、この存在を通奏低音として、過去と未来を行きつ戻りつしながら、世界を描いていく大作である。1950年代に発表された“黎明編“に始まり、“XX編“と題された、10作以上の連作、共通の登場人物はあるものの、基本的にはそれぞれが独立した話である。

ただし、手塚治虫によると、<最後にひとつにつながってみたときに、はじめてすべての話が、じつは長い物語の一部にすぎなかったということがわかるしくみになっています。なぜなら、人間の歴史に、くぎりや断層などあるわけがないからです。そのつなぎの役をするのが、狂言まわしの火の鳥ということになっています。 (手塚治虫オフィシャルサイトより)>

ディズニープラスのアニメ「エデンの宙」が原作としてのは、「火の鳥 望郷編」である。「望郷編」は雑誌「COM」上で始まったが同誌の廃刊によって中断、構想を新たに1976年に朝日ソノラマから刊行された「月刊マンガ少年」の目玉連載としてスタートした。

その内容について、私の頭の中の記憶はかなりおぼろげになっていたが、まずはこのアニメを観た。

新しい生活を送るため、地球を離れたジョージとロミ(声は宮沢りえ)。生活を始めた惑星で、ロミは「ここは私たちのエデンね」と口にする。

このエデンを、故郷の地球のような“緑豊かな“惑星にすべく、活動を始めるジョージとロミ。エデンは、旧約聖書の創世記にある、エデンの園のような、未来における人類創生の拠点となるのか。

エデンの園で、アダムとイブの間に生まれる子供はカインである。そして、アニメ「エデンの宙」の第1話の副題は、“Cain〜カイン“となっている。

もう少し、内容を書くと、カインはジョージとロミの間にできる子供、ロミはカインの成長を見届けるべく、自身をコールドスリープで保存することにより、寿命を引き延ばすことにする。「火の鳥」のテーマである不老不死までは至らないものの、“老“と“死“を先延ばしする。

しかし、ロミが目覚めた時のエデンは、大きな変化を遂げていた。そんな未来の世界で、ロミは故郷・地球への想いを抱くようになる。。。。

前述の通り、映画版と連動しているため、このアニメは4話で完結。各話30分前後とコンパクトにまとまっている。

「火の鳥 望郷編」、原作はどうだったのか。このアニメを機に、読み返してみよう。しかも、読み返すための動機がもう一つある。

それは次回に



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