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芸能人の薬物使用は「炭鉱のカナリア」か〜毎日新聞“木語“に思う

7月13日の毎日新聞朝刊。木曜日の“木語“というオピニオン欄で、編集委員の会川晴之がワシントン駐在時代のことを書いていた。鎮痛剤を処方してもらい、処方箋のコピーを求めると、その薬が麻薬性鎮痛剤「オピオイド」の一種だったことから、薬局の店員の態度が変化し、<処方箋のコピーは「支払い済み」のスタンプで埋め尽くされていた>。

アメリカでは、こうした薬を気分高揚の目的で摂取する問題が後を経たない。ケビン・コスナー主演のドラマ「 DOPESICK」は、企業不正との絡みで薬物問題を描いた。

“木語“では、現在アメリカで問題となっている薬物として「フェンタニル」が紹介されている。これもオピオイドの一種で、安価に製造でき錠剤や粉末で売買される。ネットで簡単に手に入るそうだ。

結果、<米国の18歳から49歳の死因トップは、麻薬の過剰摂取。その大半はフェンタニルだ>と記事は書く。アーチストのプリンスや、最近では俳優のロバート・デ・ニーロの孫が、フェンタニルの摂取で若くして亡くなった。<ブリンケン国務長官は、合成麻薬の死者が相次ぐ米国を「炭鉱のカナリア」に例え>、麻薬禍は世界に広がる可能性があると警告している。

日本では、芸能人の薬物使用・所持の事件が後を絶たない。有名人であるが故、アナウンスメント効果が高いので、警察としても力を入れている。それはよく分かる。罪を犯すことによって、出演作品の公開中止など、一定程度の社会的制裁が加えられる。同業者の犯罪抑止効果という点では理解できる。

一方で、本質は何か。薬物による被害を抑えること、その犠牲者となりやすい若者を守ることである。貴重な

これだけ、芸能人の事件が出るということは、すでにそれなりの違法薬物が社会に出回っているということである。まさしく「炭鉱のカナリア」だ。

「大麻なんて、アメリカじゃあ普通にみんな吸ってるよね」、大麻を使用する若者はこう言って、自己を正当化するのだろう。

大麻そのものの有害性について、もっと報道すべきであるのは当然として(今や、“報道“しても若者の目に触れることはないかもしれないので、周知の方法は考えるべきだが)、その先にある大きな危険を知らせるべきである。

大麻を知った人は、もっと強い刺激を求める。人間は弱い生き物であり、自己管理ができる人はそもそも大麻など使用しない。アメリカの状況を見れば、そんなことは明らかである。大麻を日常的に吸っている人は、合成麻薬も普通に使用するようになるのだ。そしてその先には。。。

毎日新聞のこの記事を見て、大麻の先にある恐怖を知らせるべきだと思った



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