見出し画像

現状を打開するアイデアは否定を否定することから生まれる - 直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける弁証法入門

あなたは弁証法という言葉を知っていますか?弁証法というと弁論で使う戦い方のようですが違います。弁証法はWikipediaでは以下のように記述されています。

ある命題(テーゼ=正)と、それと矛盾する、もしくはそれを否定する反対の命題(アンチテーゼ=反対命題)、そして、それらを本質的に統合した命題(ジンテーゼ=合)の3つである。全てのものは己のうちに矛盾を含んでおり、それによって必然的に己と対立するものを生み出す。
弁証法

弁証法というとマルクスの弁証法を意味することが多いようですが、ここで記載しているのはヘーゲルの弁証法です。このテーゼ、アンチテーゼ、シンテーゼを使うことで、構造主義を使ったアイデアの出し方とは違った切り口で様々なアイデアを出す方法について、今回は書いてみようと思います。

構造主義の問題点

構造主義とは簡単に言うと、物事の構造を分解、理解し、新たな価値を生み出す考え方です。大きく分けると「ロジカルシンキング」や「クリティカルシンキング」がこれに当たります。1000円カットを構造主義で考えると、既存の理髪店のサービスを「カット」「シャンプー」「マッサージ」「ひげ剃り」のように分解し、このなかで客が一番求めている「カット」のみを抽出し格安で提供することで新たな価値を提供していると分析することが出来ます。
構造主義では要素に分解し要素を使用して新たなアイデアを作るため、既存のものの足し算・引き算で考えることができアイデアを作りやすく効果を想像しやすいという利点があります。逆に言うと既存のアイデアからは想像できないような突飛なアイデアは生まれにくいという問題点もあります。

弁証法によるアイデアの創出

弁証法でアイデアを作るときは既存のものと全く別のものを組み合わせて作ります。全く別のものは何でも良いのですが、できれば真逆のものを組み合わせることが重要です。理髪店で言えば理髪店とは全く関係のないものを持ってきます。理髪店と飲食店を組み合わせて食事をしている間に髪を切ってくれるサービスや、理髪店と旅行を組み合わせて旅先で突飛な髪型にして新たな自分を見つけるサービスとかできるかもしれません。
なにか異質なものを組み合わせるときは「否定の否定」をすることでアイデアを磨くことが出来ます。ある要素の正反対にある否定の要素を組み合わせた後、「なぜ否定してはいけないのか?」と思考を発展させることで新たなものを作り出すことが出来ます。

結論:異質な結合で新しいアイデアは出る

コロナのせいで急激な生活様式の変化が起こっている今、既存の考えに引きづられるのではなく、全く異質なものを組み合わせた非常に突飛なものこそが真にユーザが求めているものかもしれません。繰り返しになりますが、構造主義的な考え方は突飛なアイデアは出てきにくい特性があります。今の時代に求められているのは構造主義では生み出せない突飛なアイデアであり、アイデアを出すための一つの手段として弁証法を知っておくのはいいのかもしれません。

ここで記載しているのは以下の本の僕なりの解釈を記載したものです。弁証法という言葉がキャッチーで手に取りましたが中身はスカスカだったなという印象で、アウフヘーベンをいっぱい言いたかっただけなんじゃないかと思いたくなる内容でした。正直にいうと弁証法で重要と書いている「否定の否定」とか僕は良く理解できませんでした。「否定の否定」が理解できる頭があればこの本は非常にためになるのかもしれませんが、僕はこの本を読むなら別の本を読んだほうがいいんじゃないかと思います。


日々面白そうな本を探していますが、なかなかピンとくるものがなくて困っています。もしなにかおすすめの本があれば以下のリンクから教えてくれると嬉しいです!


この記事が参加している募集

サポートよりも面白い本を教えてくれると嬉しいです!なんでも好き嫌いなく読める方なので何も考えずにあなたが面白かった本を教えて下さい!