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アイデアマンの頭の中を覗いてみる - 空調服を生み出した 市ヶ谷弘司の思考実験

こんにちは。佐藤@読書好きプログラマーです!

突然ですが、あなたは空調服というのをご存知ですか? 空調服というのはざっくりいうと背中に扇風機のようなものがついている服です。背中についた扇風機から風が送られると服と体の間に絶えず空気が流れ、体から出た汗が効率的に気化されることで体を涼しい状態に保つことができます。見た目はちょっと悪いですが、構造の単純さからどこでも簡単に使用することができ、年々熱くなっていく日本の外作業の強い味方になっています。

この空調服を発明した人が思考法についての本を書かれたということで読んでみました。

空調服は何がすごいかと言うと、誰もが知っている知識を組み合わせて大きな恩恵を作り上げているところだと思います。人は汗を書いて気化熱で体温調整をしているのは誰でも知ってますし、扇風機を浴びれば涼しいくなることは誰でも知っています。ただ、この二つを組み合わせて、あまつさえ服につけるなんてことはだれも思いつきませんでした。空調服は誰もが知っている知識でも、組み合わせによっては思いも寄らないほどの恩恵を得ることができるという一つの証拠だと思います。

本書では情報を再利用できるようになった状態を理解したと定義しており、まずは多くの物事を理解して再利用できる幅を増やすことが重要だと書かれています。前のエントリーで、知識の幅が思考の幅を作るということを書きましたが、この本でも同じようなことが書かれています。思いがけない知識と知識がリンクした時にこそ、誰もが思いつかない素晴らしいアイデアが生まれることになるんだと思います。

また、アイデアというのは結果でしかありません。同じアイデアを複数の人が思いついたとしても、経験や知識は人によって違うためアイデアに至るまでの思考は人によって違います。重要なのは思考のルートであってアイデアではありません。たまたま閃くのではなく、ひらめいたアイデアを分解し、どのような思考のルートを辿ったかを検証し、再現性あるアイデアの閃き方を考えていきましょう。

この本では、具体的に著者が物事を考えたときに考えることも書いてあります。「もし分身した自分が存在したらどうなるか?」のような実際には起こらないような空想ですが、自分が理解している知識を元に空想世界を現実世界のルールに落とし込みどうなるの可能性が一番高いのかを妄想していく過程は、アイデアマンの思考過程を垣間見ることができ興味深いです。

ただ、この本には具体的な思考法やアイデアの作り方は書いてありません。アイデアを出す即効性の高い方法を求めているのであれば、別の本を読むことをおすすめします。しかし、知識の幅と組み合わせを元にアイデアを作る思考の本質が本書には記載していると思います。この本に書いていることを知るだけでなく理解することができれば、きっと未来に役に立つことでしょう。


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