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発展するには仕組みが大事 - チャイナテック:中国デジタル革命の衝撃

こんにちは、佐藤@読書好きプログラマーです!
「無駄な知識など存在しない」をモットーに年間100冊ほど雑多に本を読んでいます。

さて、今回は「中国は発展すべくして発展した」という話をしようと思います。


最近、以下の本を読みました。

この本はどのようにして中国が今の反映を気づいていったのかをデジタルの側面から記載した本です。中国という国全体のデジタル化の仕組みだけでなく、デジタル関連の中国系大企業の特徴からどのように大企業になっていったかという道筋まで書かれていてなかなか面白い一冊です。

この本を読んで、今の日本が中国のように伸びるのはなかなか難しいだろうなと感じました。その理由は、中国の発展は「リープフロッグ型発展」と「規制の妙手」からなっているからです。


技術は急速に進展するものではありません。最先端の技術とは徐々に上がっていくもので、この伸びの速度は世界中で変わりません。しかし、中国だけが急速にステップアップできたのは他国と比べて技術が低かったというのが要因になります。
中国では普及している技術が低かったがために、最先端の技術を入れるメリットが非常に大きくなり、最先端の技術を輸入するコストを大幅に上回れるからこそ、一気に導入することが出来たのだと思います。

さらに、中国では国が主導して技術発展を推進している現状があります。
例えば、あなたも聞いたことがあるかもしれませんが、中国では個人情報が非常を非常に簡単にシェアされています。これは、まずはやってみてだめだったら制限するという方針で中国の法律が成り立っているためで、問題が起こるまでは制限をゆるくすることで発展しやすい環境を作っています。
これにより、輸入した最先端の技術をベースとして、他国より早く技術開発を行うことが出来ます。

国家が発展するためには個人の多少の犠牲はしょうがないという国家としての考え方も増長し、新規技術を簡単に進めることができるというのは大きな強みです。
個人への信頼スコアの付与や、顔認証により国民全体の管理など他国が人権の問題で二の足を踏んでいる間に、個人識別の分野では他の追随を許さない発展を見せていくのではないかと思っています。


では、日本でも中国と同じように技術発展をすることは可能でしょうか?
僕は出来ないと考えています。

日本は既に成熟した国家です。なので、最先端の技術とは言えないかもしれませんが、それなりの技術水準の仕組みが既に社会の中に組み込まれてしまっています。言い換えれば国内に出回っている技術水準と最先端の技術水準のギャップは小さい状態です。
技術ギャップが小さければ乗り換えるメリットも小さくなります。なので、積極的に最先端の技術を持ってくる理由もなく、ギャップがある程度開くまで最先端の技術が普及することは無いでしょう。

また、ネット通信のデータの中身を見るだけで通信の秘密を侵害すると大問題になったりするぐらいに、個人情報については厳しく管理されています。なので今の日本で個人にスコアを付与したり、周りの人間の借金情報が見えるようになるなどということは考えにくいです。
前述したように、規制は発展を妨げます。安全安心を謳って色々制限している現在の日本では、中国のような発展を起こすことは難しいでしょう。


中国は国として急激に発展している代わりに国民を実験の場として使っている印象を受けます。国民は国のために存在するという考え方であればそれもよいのかもしれませんが、日本ではこの考え方は受け入れられにくいでしょう。
国が発展すれば国民は利益を得ることが出来ますが、国が衰退すれば国民は不利益を被ることになります。中国がよいとは手放しで言えない状態ですが、今の日本のように人工が減ることがわかっている状況では何かしらの手を打たなければ国が衰退することはまぬがれないでしょう。
政治家の皆さんには、国民を守ることも重要ですが、国民を奮い立たせて発展する未来を作る手をぜひとも打って欲しいものです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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