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2017年12月の記事一覧
サイン以外何でもします
ここ10年で、日本一作家にサインを書かせた書店員は、私かもしれない。
新刊発売時の書店訪問では、欲張って段ボール単位でお願いすることもあったし、たまたま買い物に来た作家を目ざとく見つけて、バックヤードに引きずり込んだことも数え切れない。たくさん書きすぎて、自分の名前がゲシュタルト崩壊した作家もいた。
私はその横で、餅つきの「あ、よいしょー!」みたいに調子良く半紙を挟んだり、「どっこいしょー!」
これは『アクシデント・レポート』が最高に面白かったこととは、全く別の話です。
今からすごく恥ずかしいことを告白する。
なんだかもう、言っちゃいたい気分なのだ。
樋口毅宏の『アクシデント・レポート』という小説を、ここ2週間持ち歩いていた。600ページ超、ハードカバーの2段組で、価格は3,100円(税別)。存在がクレイジーだ。
この厳つい単行本のおかげで、トートバッグを右側に掛ける私のコートは、そこだけ擦れてテカテカしている。
でもそのテカテカを、悪くないと思っている。