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上沢直之投手、ホークスへ移籍…。問題点とファイターズファンの視点

※12月18日、パリーグTV公式アカウントから、正式に上沢投手のホークス加入が発表されました。
※著者は2年前からファイターズのファンです。

元日本ハムファイターズ所属の上沢投手がホークスへ移籍したとの報道がなされました。

上沢投手は昨季、アメリカ挑戦を表明し、米球団とマイナー契約を結んでいました。

そして今オフにホークスへ移籍という報道が出るに至ります。

今回の件で騒動になっているのは、主に2点。

上沢投手がファイターズに戻ってこなかったというファンの感情的側面

そして上沢投手がFA権を獲得していないにもかかわらず、事実上のFAとなりホークスへの好条件での移籍を許してしまったと言う制度上の側面。

この2つが大きな騒動の原因となっているかと思います…。

この2点に加えて、ファイターズの戦力面と今後のファイターズに期待する事を書いていきたいと思います。


1ファンの感情

ファンとしては、ガッカリとか、怒りとか、そう言った感情を超越するような衝撃がありました。

本当になんと表現したらいいのか…。

まるで善良に思えた知人が犯罪者だったと分かった時の様な衝撃です…。
(これはあくまで例であり、上沢投手は法的にも制度的にも、なんら落ち度はありません)

というのも、上沢投手はマイナーで肘の状態を悪くし、早期から日本に帰国していたのです。

それだけなら問題は特にないのですが、上沢投手は今オフに鎌ヶ谷(ファイターズの2軍施設)を借りて練習していたという話がファンの間でありました。(この情報の正確性には多少の疑問が残る)

それに加えて、ファイターズ主催の野球教室に出席したり、今期引退を表明した、鍵谷投手の引退試合では花束を渡してくれていました。

さらにOBである新垣さんのyoutubeに登場し、元ファイターズ所属投手の斎藤佑樹さんを含めて、対談する動画に出演していました。

ファンとしてはこの流れを知っているので、帰ってくるのかなと。
当然ながら想像したのです。


上沢投手がマイナー契約を結ぶ際の譲渡金もごくわずかで、ファイターズとしてはただただ戦力が落ちると言う、ほとんどマイナス面しかない様な形ですが、それでも夢を応援すると言う形で、ファイターズは上沢投手を送り出したという経緯もあります。

オフの動きと、アメリカ挑戦へ至る経緯を考えると、帰ってくるだろうと。
あるいはもう一年、マイナーでも挑戦するのだろうと。
そう言う風にファンは考えていたのです…。

そう言った流れがあってのホークス移籍報道。

多くのファイターズファンは動揺し、怒りの感情をあらわにする人も散見されると言う今のこの状況が出来上がりました。

怒る人も居ますし、悲しいと感じる人も居ますし、失望したと感じる人も居るでしょう。

個人的には上沢投手の動きが常道から外れているので、ただただ驚きました。


ホークスへの移籍もかなりのスピード感で決定しました。

だったらなんで、鎌ヶ谷の施設を使ったんだ?
なんでファイターズ主催の野球教室をオファーを断らずに出たんだ?
なんてOBのyoutubeに出演したんだ?

ホークスへ行きたいのなら、この辺りは断って良くないか…?

そもそもメジャー挑戦が夢だったのなら、もう少し粘っても良くないか?
ファイターズと再契約して、もう一度メジャーに挑戦するとか、そう言った相談はできなかったのか?

いや最初からホークスへ行くのが目的だったのか…?

疑問は尽きません。
もはや本人にしか分からない領域なのかもしれません。

気にかけていた監督や球団や、チームメイトが不憫でならないです。

とにかく、ファンの感情や期待を大きく裏切ったと言う事で、ファンは動揺しているのです。

ただ、先述したように、上沢投手の動きに関しては、常道から外れているだけであって、法的な問題もないですし、ルール上の問題も無いのです…。

この問題が無いと言う点も、ファン感情を大きく動揺させる一因になっていると感じます。

個人的には、ただただ残念です…。

2制度上の問題

繰り返しになりますが、今回の移籍に違法な点はありません。

ただし、ポスティング申請を認められ、海外移籍した選手がフリーになった時、他球団に移籍できてしまう。というのはやはり問題です。

1年の海外留学を経験すれば、他球団に移籍できる。
このことが明らかになったです。

通常、他の球団へと移籍した蹴ればFA権を取る事が多いです。
(トレードや現役ドラフトへの志願、任意引退や、育成再契約を拒否すると言う方法もあるが)

多くの1軍選手も長い間努力し、やっとFA権を獲得し、多くの球団と給料や待遇面で交渉できます。

それが今回の騒動から、”長い間努力するよりもポスティング申請を認めて貰えれば好条件で移籍できる”という考えに塗り替わってしまう恐れがあるのです。

当然、選手のモチベーションに影響します。
長く努力するより、球団を言いくるめて1年間野球留学をしよう。
そして好条件で拾ってもらうんだ。

こんな感覚が蔓延してしまったら、NPBのレベルは落ちます。
努力するのが馬鹿らしくなる。

さらには球団としても、”コイツ、本当に夢を追うのか? ウチの球団が嫌いで出て行きたいだけなんじゃ…?”という疑念を抱くかもしれません。

純粋にアメリカプレーすることが夢なんです!という選手や、優秀な成績を修めた有望株が、アメリカ挑戦をしずらくなるかもしれない。

とにかく早急にルールを整備しないと、いろんなところに問題がでてきます。

上沢投手が好条件で移籍したことで、ホークス生え抜きの選手はどう思うのか?

ファイターズの選手はどう思うのか?

今までコツコツ頑張ってきた選手が、やる気を喪失することになるかもしれない、重大な局面です。

このままルールを変えなければ、好条件を提示できる球団ばかりに戦力が集中します。

野球選手は個人事業主ですから、給料の良い所に集まるのは当然です。

しかしこの状況を許してしまうと、勢力均衡状態が崩れ、NPBの野球が面白くなくなってしまう可能性があるのです。

娯楽としての失墜を招く恐れがあります。

NPBは今、重大な局面を迎えているのだと思います。

この上沢投手の移籍は、2例目です。
以前も有原投手が上沢投手と同じようにアメリカ挑戦の後、ホークスへと好条件で移籍しています。

この時、ルールを整備しなかった。
今、NPBの良識や、手腕が問われているのだと思います。

もしルールを整備できず、このまま一定の球団のみが得をするようだと、NPBの信用にかかわりますし、日本野球の面白さに関わります。

難しい問題だとは思いますが、なんとか、新ルールを作って選手が問題なく夢を追える状態を作ってもらいたいですし、コツコツ頑張っている選手が報われるようにして欲しいと思います。

そう言った動きが、日本野球の面白さを維持し、娯楽として興行として発展させることに繋がるハズです。

ファンとしてはNPBの動きに期待するのみです。

調査は必須?

上沢投手が当初からホークスへの移籍を目論んでいたとしたら。

そんな事はないとは思うのですが、誰かが入れ知恵したとか、密約があったとか、そう言った事が無かったかどうか調査はした方がいいと思います。

調査をしないままですと、ポスティング申請をしそうな選手に目を付けて、アメリカ挑戦する前から、獲得交渉をする球団が出てきかねません。

謀略のような形で他球団の戦力ダウンを図れたり、戦力増強ができてしまうとシーズンの結果が盤外戦術で左右されるようになってしまう。

オフシーズンの動きで順位が決まってしまうようなことになると、シーズンをわざわざ見なくなる。

そう言った流れにならない様に、密約や接触が無かったかどうか調べた方がいいのでは、と思います。


3ファイターズの戦力としての問題


ファイターズに上沢投手が帰ってこないということで、戦力的に問題があるのか?

正直言って、上沢投手がいなくても大丈夫なんじゃないか?というのがファンの感想です。

”いやいや! じゃあなんでファンは怒ってるんだよ!?”

他球団ファンの方はそう思うでしょう。
しかしファイターズファンの怒りの矛先は、上沢投手の良識の欠如に対してなのです。

先述したように、ホークスへ行くならなんで鎌ヶ谷で練習したんだとか。
そう言った類の、良識に対する怒りなのです。

戦力として絶対的にいて欲しい!という状況では実ななさそうなのがファイターズの実態です。

もちろんこういった状況を察知して上沢投手がホークスと契約したと言う事も考えられます。
(繰り返しになりますが、だったらファイターズ主催の野球教室にでたりするなよ。等の良識への問題は尽きません)

戦力の話にもどります。
今のファイターズの先発陣をファン目線で書いていきたいと思います。
(以下、敬称略)

伊藤、金村、北山、山崎、加藤。これで5名。

残りの1枠を争う事が想定されます。

達、細野、福島、柳川、畔柳、上原、根本、バーヘイゲン、グーリン、松浦

この辺りが残りの1枠を賭けて競争することになるでしょう。

正直言って、期待の若手が多いです。
名前を挙げた中でベテランに属するのは上原とバーヘイゲンだけなんです。

残りの1枠を埋めて、若手に投げさせないと言うよりも、若手にチャンスがある事をアピールした方が将来に向けて明るいのでは…?

これが多くのファンの見立てだと思います。
上沢投手がいてくれたら、もちろん良いのでしょうけど、絶対的に必要と言うワケではないと言う感じがしています。

なのでファイターズの戦力的には大きく問題にはならない。
と言えるのではないかと思います。


4ファイターズに期待する事

今後のファイターズに期待することを書いていきます。

ファンの中にはポスティング申請を認めない方がいいんじゃないか?と考えている方もいます。

しかし僕は全く逆の意見です。
今後もポスティングは認めて積極的にメジャーリーガーの輩出を目指した方がいいと思います。

今回の問題点は元ハムの上沢投手がホークスに行ったのにも関わらず、ファイターズにメリットが無さすぎることです。

ですので仮にポスティングで高い譲渡金を得られるなら、選手をメジャーへ送り出した方がいいです。
どっちみち海外FA権があるので挑戦したい選手は勝手に行ってしまいますからね。
ポスティングで送り出した方が球団は金銭的に得をするのです。

そして今回の騒動の反省として、例えば上沢投手の様な件がまた発生した時には、ファイターズに金銭か人的補償が与えられるというルールになってくれればいいのです。

ルールさえしっかりしてくれれば、ファイターズは今後もメジャーリーガー輩出に向けて頑張れると思っています。

”いやいや! 戦力がメジャーに流出してファイターズが勝てなくなるじゃないか!”

そう言う心配もあるでしょう。

しかし僕は逆だと思っています。
アマチュア選手の中にもメジャーを目指したと言う選手が今後増えると思います。

そのとき、有望なアマチュア選手はファイターズ入団を経由してアメリカ挑戦したいと考えてくれるはずです。

有望な選手がドラフトでファイターズに集まれば、当然チームは強くなりやすい。
その為にポスティングに寛容なのではないかとも思っています。

チームは強くなるの?

そう言う心配がありますが、僕としては、メジャーで通用するような選手がチームに数名いたら優勝できるでしょ!と思います。

ファイターズを優勝に導くような大活躍をして、大手を振ってアメリカに挑戦してもらえばいいのです。

いや、そもそもドラフトで本当にファイターズに良い選手が集まるのか?
という心配もあるでしょう。

アマチュア選手が事前に”このチームだとちょっと…”という事になってくれればいいのです。

ポスティング申請は認めてないよ。というチームもありますから、そう言うチームとファイターズを比べた時に、有望な選手はポスティング申請に寛容でないチームに断りを入れるようになると思うのです。

表立ってあの球団は嫌です!という選手はいないと思いますが、”将来的にメジャーへ行きたいのです”と表明するだけで、ポスティング申請に否定的な球団は手を引くことになるでしょう。

そうなったとき、ファイターズが指名をして、そのまま入団してくれると言う流れになりやすいと思います。

ドラフトでは指名を拒否することもできますからね。
今後、メジャー挑戦希望だという事を理由に拒否する選手が出るかもしれない。

そういう時代になった時、ファイターズはめちゃくちゃ有利です。

加えて素人考えですが、チームにメジャー挑戦を目指す意識の高い選手がいる事で周囲も真剣に練習してくれるのではないかと思うのです。

当然モチベーションアップにつながるでしょう。

さらに出戻り選手にも期待できます。
上沢投手のような形ではなくて、例えばダルビッシュ投手が帰ってきてくれたら。

大幅な戦力アップだけでなく、アメリカでの最新トレーニングやデータ活用などのノウハウを持った人材がファイターズに集まる事になります。

また単純にメジャー挑戦者を増やすのではなく、メジャーで活躍できる選手を大量に排出して欲しいと思っています。

活躍すればするだけ、帰って来た時の戦力になりますし、長い間メジャーに居た選手であれば、先述したように大量の経験とノウハウを持ち帰ってくれるはずです。

こういった点から、僕としてはファイターズにはポスティング申請に寛容であって欲しいと思います。

優しさでポスティング申請を認めるのではなくて、長期的な戦略としてメジャー挑戦に寛容な球団であって欲しいなというのが、個人的な願望です。

5今回の騒動に対する個人的な感想


しつこいようですが、上沢投手は本当に制度上、悪くないです。
獲得できなかったファイターズも悪くないですし、チームを強くしようと積極的に動いたホークスさんも悪くないです。

悪いのは現状の制度かな。というのが大方の見立てだと思います。

ただ帰国後の動きが不自然であるという事情があって、ホークスへ行った事では無く、その振る舞いに対して怒りが集中している状況です。

個人的な興味としてもう1つ。
上沢投手はいつからホークス行きを計画していたのか知りたいと思っています。

計画的なことなのか。
だとしたら、いつからなのか。
単独で考えた事なのか。

動機や計画の詳細が気になりますし、明らかになった方が球団としても今後に向けて対策できますからね。

できれば明らかにして欲しいなと思います。

そしてファンとしてはファイターズ所属の松本剛選手が心配だなと思います。
今回の件で同期入団の選手がファイターズに居なくなってしまいました。

また上沢投手がアメリカへ挑戦する際に、松本選手は大変気にかけていた様子なのです。
自主トレを切り上げて上沢投手に会いに来たりしていたのです。

そう言った背景を知っているファンからすると、他人ながらに心配になります。

松本選手やポスティング申請を認めた球団が報われて欲しい!
というのが1ファンとしての願いです。

こうなったからには来シーズンもファイターズを応援するしかありません。

まだモヤモヤしている方も多いと思いますが、ファンに出来ることはやっぱり応援です。
来シーズン、絶対優勝して欲しいです!

がんばれ!ファイターズ!


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