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『出エジプト記』 – 日めくり文庫本【3月】

【3月27日】

第一二章 ヤㇵウェがエジプトの地で、モーセとアロンに言われた、「この月は君たちにとって正月である。年のすべての月の最初の月である。イスラエルのすべての集会に語って言いなさい、この月の十日に、おのおのその父の家のために一匹、家に一匹、小羊をとりなさい、もしその家が一匹の小羊をとるのに小ささすぎたならば、その家の近くの隣人と、人数に応じてとるがよい。おのおのその食する量を考慮してその小羊のための人数をきめるがよい。君たちのその小羊はきずのない、当歳の雄羊でなければならない。君たちはそれを羊、あるいは山羊の中からとることが出来る。君たちはそれをこの月の十四日までとっておき、それからイスラエルの集会の全会衆はたそがれ時にそれを屠(ほふ)らなければならない。人々はその血を取り、家の二つの柱と鴨居塗り、その家の中でそれを食べなければならない。人々はその夜それを食べなければならない。火にあぶり、にが薬をそえた種入れぬパンと一緒にそれを食べなければならない。それを生のまま食べたり、湯で煮て食べてはならない。火にあぶり、頭が脚や臓腑についたままで食べなければならない。それを一部でも朝まで残しておいてはならない。朝まで残った部分は火に焼かなければならない。食べる時に次のようにしなければならない。腰に帯をし、足に靴をはき、杖を手にもって。君たちはそれを急いで食べなければならない。それはヤㇵウェのための過越なのである。わたしはその夜エジプトの地を通り、エジプトの地のすべての首子を人から家畜にいたるまで打つ。またエジプトのすべての神々に審きを行う。わたしはヤㇵウェである。しかし君たちはその家に留まって血がそこに君たちがいるしるしとなり、わたしはその血を見て、君たちの所を過越すであろう。わたしがエジプトの地を打つ時にも、君たちの間には滅ぼす者により打たれる者はない。この日は君たちには記念の日となり、君たちはヤㇵウェの祭としてこれを祝わなければならない。代々に永遠の定めとしてこれを祝わなければならない。七日の間君たちは種入れぬパンを食べなければならない。最初の日には君たちはその家からパン種を除かなければならない。何故なら最初の日から七日目にいたるまでにおよそ種の入ったものを食べる者はみなイスラエルから絶たれるからである。最初の日に君たちは聖会を持ち、七日目にも聖会を持たなければならない。それらの日には何の仕事もしてはならない。ただ各人が食べものだけは君たちは用意してよい。君たちはこの掟を守らなければならない。何故なら丁度この日わたしは君たちの軍勢をエジプトの地から導き出したからである。君たちはこの日を代々永遠の定めとして守らなければならない。最初の月、その月の十四日の夕方、種入れぬパンを食べなければならない。その月の二十一日の夕方までそうしなければならない。七日の間パン種が君たちの家に見つからないようにしなければならない。何故ならすべて種入れパンを食べる者は、その者は寄留者であれ、この地に生れた者であれ、イスラエルの集会から絶たれなけらばならないからである。君たちは種入れパンを一切食べてはならない。すべての君たちの住居で種なしパンを食べなければならない」。

——『旧約聖書 出エジプト記』(岩波文庫,1969年)35 – 37ページ


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