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【選んで無職日記5】何故無職になろうと決めたのか

来週からいよいよ無職になるわけ(厳密にいうと有給期間に入る)だが、そもそもなぜ私が転職先を決めず無職になろうと決めたのかを、文章化して残しておきたいと思う。

私はそもそも、今年の6月に予定していた結婚式を終えたら、転職活動をしようと思っていた。その理由は沢山ある。

まずは現職の上司とウマが合わない。上司の仕事のやり方が気に入らず、優柔不断だったりレスが遅いところが好きではない。
ものを遠回しに説明するから何を伝えたいのかがいつもわからないし、なのに社歴が長くてプライドも高い。
そんな上司の下で今の仕事をし続けることに疲れていた。

疲れているのは上司だけではなく、仕事内容も同じだ。
高い目標を掲げられ、取引先に電話をかけ続ける日々に辟易としていた。
特に私の取引先は日本社会ならではの文化が深く残る業界で、かなり年上の男性から半ば意地悪ともとれるような弊社に対する愚痴を延々と聞かされることもしばしばあった。

中途で今の会社に入った私に、昇進の機会が与えられづらいのも理由だった。
名前を聞けばほとんどの人は知っているような職場に3年前滑り込んだはいいものの、社内は見事な学歴社会で、新卒入社してくる若者はみんな超有名大学の卒業だ。
そして大きな企業はどこも当たり前に、新卒に力を入れて育て上げ、会社の主軸となる戦力として大事にする。
そういった人材が多い中で私は自分が下の方、下の方に埋もれていくように感じていた。
自分がどう頑張っても、自分より学歴も上で年齢も若く、未来の明るいこの子たちより先に昇進したり、キャリアを積むことは難しいと年々思っていた。

会社自体はホワイトだし、給料も十分にもらえて、オンとオフを切り分けられ、かつ同僚との相性も良く、仕事する環境としてはこれ以上ないほど素晴らしいのだが、同時に自分の成長がこれ以上見込めないと感じる機会が増えていた。

一日の内体感半分は仕事しているのだから、もっと仕事にやりがいを感じたり、携わっていて面白いと思えたりするような仕事に切り替えたいな、と思ったのが、結婚式の前までの私。

結婚式まで秒読みだな、これが終わったら転職活動しなきゃな、と日ごとに思いながら本番を迎えた。

いざ結婚式を執り行い、その日一日が慌ただしく過ぎ、一週間結婚休暇をもらっていたときのこと。
結婚式って本当にいろんな人の助けがないと出来ないのだなと強く感じた。
特に結婚式場の人。私に一日中、介添人なる人がつくなんて知らなかったし、宴会場を総括してまとめる人がいたり、ヘアメイクの人が入れ代わり立ち代わり私の花嫁姿を作っていってくれたりして、とにかくいろんな人が私たち夫婦に関わってくれた。
その度に私は、今日初めて会った私たちのために(仕事とはいえ)こんなに献身的にサポートしてくれて、感謝しかないと強く思い、そのたびにありがとうございます、と心からお伝えしていた。
それを思い出したときに、私が今やっている仕事は、誰かに直接ありがとうと言われたり、感謝されることがないと気づいてしまったのだ。

大企業あるあるのオラ営で取引先とコミュニケーションを取り、会社にとってメリットのあることを優先し、社内ではもちろん社員同士で称えあったり労ったりすることはあるけれども、誰かに心から感謝された記憶はない。

それに気づいてしまったときに、これが私の望む幸せだったのだろうかと思ってしまった。
良いお給料とワークライフバランスの取りやすさを武器に、根本興味のない仕事だけれどもこれが幸せだと思い込もうとしていたのでは、自分に嘘をつき続けていたのではと思った瞬間に、「一旦これは仕事を辞めなければ」という結論にたどり着いたのだ。

次の仕事を決めてしまうとまたそこのルールを正当化しようとしてしまい、結局自分にとって何が一番なのかを疎かにしてしまうことが見えていた。
そのくらい私は仕事に対し割と真摯だし、真面目に向き合うタイプなのだ。

そうやって本来の自分を蔑ろにしてしまっていることに気づいて、我ながら可哀想だと思った。
そして、可哀想な自分を救ってあげたいと思ったから、こんな暴挙にでることになった。

これが正解だったか不正解だったかはやってみないと分からない。
不正解だったとしても、あ~これ不正解だったか!と知ることが出来たのならそれが私の成長だし、不正解を正解にしていくことは出来なくはないと思う。

生まれてこの方本当に真面目に真面目に、レールから逸れず生きていた私にとってこの決断は大冒険だが、そんな決断を出来た私のことを今は少し誇らしくも思う。




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