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商売を始めた頃:その4 出張先で何もせず帰ったお話

卸業時代の恥ずかしい話


これは今思い出しても恥ずかしくて本当に情けない卸業時代2年目くらいの話です。若いって恐ろしい・・・

当時卸業で行っていた仕事は主に伝票書きと配達程度で、得意先へは社長と一緒でした。

数ヶ月に1度地方の得意先へ行くのですが、その際の商談ももちろん社長。ボクは訳も分からず見てるだけでした。

得意先の社長はもう70歳を超えているようなお爺さんで、仕事は半分引退とはいえ毎日小売屋さん周りをするような方で、その地方ではそれなりに売っていた業者さんでした。

出張の心得

どんな業種でもそうですが、出張に行く場合に準備をしなければいけません。準備と言っても商品を集め値札を付けて商品箱に綺麗に並べて見栄えをよくする事や、行く得意先用の商品を集めたりする事など、基本的な事をするだけです。

あとの商談に関しては業界話をしながら、売る商品を勧めていくといった感じでした。
ボクは見て聞くだけなので、出張の準備は分かりますがそれ以外は完全に素人で商売のいろはもまだ分かっていませんでした。

1人で行く出張

何度か社長と2人で行った得意先ですが、ある日1人で行ってこいと言われたので、出張の準備を前もって行い朝早く会社へ行って得意先へ出発しました。

場所は姫路の先だったので高速道路を使って数時間かけて行く訳です。
1人という事で気楽ですしゆっくりと休憩しながら行くのですが、ここからが恥ずかしい所です。

得意先の社長の挨拶がてらの一言で・・・

得意先へ着くと社長が出迎えてくれたのですが、そこで社長が、

「本谷くん、わざわざ来てくれても見るもんないで〜。」

と言ったのですが、それを完全に真に受けて「そうですかぁ、じゃあ。」って答えて会社へとんぼ返りしてしまいました・・・

普通は帰らないし、帰ってはいけない

はい、今では普通に考えても帰る訳がない一言です。商売人であればそんな事言われても「社長、そんな事言わんと見てくださいよ〜」とか言いながら部屋まで入って商品を見てもらい、社長へオススメの商品を見て買ってもらうくらいの事が当たり前といえば当たり前です。

しかし、当時のボクは仕事はイヤイヤやっていたので、これ幸いに寄り道しながら会社に帰ってしまったのでした。本当に今思い出しても背中に嫌な汗をかくくらいの恥ずかしさです。。。

商売を全く分かっていなかったし、社会人としても全くなただの若い男でした。今の若い子より酷いと思います。普通なら帰って怒鳴り散らされて当たり前のような出来事です。

商売人の心得や気持ち、働く姿勢など何を取ってもダメな社会人であり、世間知らずのダラけた人間でしたね。恥ずかしい・・・

出張から帰って

帰ってきて社長からどうだった?と聞かれたので事実を伝えても全く怒られませんでした。今考えると不思議です。社長は「まぁ、買いそうになかったな。」と言っただけでした。もしかして、ちゃんと伝わらなかったのかも知れませんが、何も言われる事がありませんでした。

ラッキーとしか思えませんが・・・それさえも当時は何も思わなかったし感じませんでした。

ただ、得意先の社長は「あいつ、何もせんで帰っていったで。」と思ったでしょうし、余計な買い物をしなくて済んだと思った事でしょうね。

今の若者より酷い若者でした

ボクはその時は反省もなく過ごしていましたが、先日ふと思い出して、あれでよく帰ったし、怒られなかったな・・・と今更ながら猛反省したのでした(^^;)

思い返しても恥ずかしい話ですが、今は良い意味で狡猾になっていますし、少しは図太さも備えた商売人になった気もしますが、そんなエピソード満載の卸業時代があったという事は間違いないので、今失敗しまくっている若い人も自信を持って欲しいなと思っています(^^)

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