見出し画像

前に勤めていた会社がSPACでIPOすることになった話

コロナでクビになった会社が今度IPOをするそうです。SPACで。クビになった際にずいぶんいい条件でクビになっていて、ストックオプションは2年間行使できるのでIPOに間に合いました。

SPACというのは裏口上場とも言われる、非伝統的な上場ルート。悪く言うなら、まともな会社ではないところがSPACを選びます。実際にSPACで上場した会社のほとんどは株価が低迷していたり、詐欺が判明したところもあります。

2021年後半の時点では、標準以下のスタートアップを公開する機会の窓(IPOウィンドウ)は閉じています。これは、個人投資家が、SPACによって買収された企業の一部が公開に値しないことにようやく気付いたためです。多くの企業が可能性を秘めていますが、これらの企業は生産と財務の両方の観点から準備ができていません。

最近まで、SPACは、実際に何に投資しているかを実際に知らない小売業者のお金を受け取るために上場される裏口でした。QuantumScapeやJoby Technologiesのような企業は、今後数年まで提供できる製品やサービスさえありません。そしてそれらは、収益と収入を生み出す企業よりも数十億ドルも高く評価されています。

そんな状況が続いたので、いまさらSPACでIPOしても、ストックオプションからミリオネアになる可能性は非常に低いと思います。

前の企業に問い合わせたところ、たしかにストックオプションの権利は今でも有効で、当初の約束通りの来年某月まで行使できるそうです。

問題はSPACは貯金箱のようなお金しかもっていない企業を先に上場させておいて、その貯金箱がターゲット企業を形式的に買収する(Reverse Merge)ことで上場を果たします。一般にM&Aではストックオプションの権利は消えるらしいのでそのへんが気になります。

SPACについての記事のほとんどは貯金箱企業(買収側、あるいは買収後に社名変更した形式上は新会社)の投資についての話ばかりで、被買収企業のストックオプションがどうなるかについては不透明なところが多いのです。

ネットで質問したら次のような答えが返ってきました。

会社と買収者は、オプションをどうするかを柔軟に決定できます。 それらは、newco(SPAC後の会社)の同数のオプションに置き換えたり、newcoの同数の株式に純行使したり、合併収益から部分的に現金化したりすることができます。多くの可能性がありますが、完全に キャンセルされる可能性はほとんどありません。

SPAC合併までに行使しなければならないわけではなさそうだけど、まだまだ調べなくてはならない点が多く大変そうです。

なおオプションの行使価格は、直近の資金調達の際のpreferred price per shareの1/4とかそのくらいです。なので、直近の投資家が損しないくらいの株価でIPOされるなら、オプションを行使すると最低4倍くらいの利益は見込めるのではないかと思いますが、これも自信がありません。

どなたら詳しい方がいれば教えてくださると幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?