電話には不思議なチカラが宿る(日常の中の不思議ファイル 23)
電話には、不思議なチカラが宿ることがある、
と聞いたことありませんか?
私はどこかでそんなことを聞いたことがあり、
それを裏付けるような出来事に遭遇しました。
『男女平等参画社会』が盛んに叫ばれていたころ
私はボランティアで夫婦の取材をし、
それぞれの立場で相手のことを語ってもらうということをしていました。
知合いの高橋さんに頼んでみたところ
快くオーケーをもらい、ご主人にも話すということで
後でこちらから電話して日時を決めることになりました。
「もしもし。高橋さんのお宅ですか?」
すると20歳くらいの若い男性の声。
「はい。そうです。」
「お母さんはいますか?」
「お待ちください。」
ちょっと離れたところで、ご主人らしき声。「おーい、電話だぞー。」
高橋家にお邪魔するとサイドボードに若い男性の写真がたくさん。
『これが電話に出た息子さんだな~』と思っていると
ご夫婦との会話の中で
「私たちには子供が二人います。長女は…、次女は…。」
という話になったので、
不思議に思ってサイドボードの写真を振り向くと、
「…そうですよね。今、子供は二人、と言いましたが、実は三人いたんです。」
末っ子で自慢の息子さんは、父親と同じ職業について、
その赴任先で、突然死されたのだそうです。…享年20歳。
息子さんが家を出て行った時のままにしてある部屋も見せてもらいました。
「じゃ、電話に出たのは…」と言うと、
「主人です。」
え?電話に出た時の声と全く別人の声では?
そして奥さんを読んでいる時の声は今のご主人の声だけど?????
と思ったけれど、
電話の故障でもなさそうだし。
赤の他人に聞かせないで、
息子の死を悼んでいるご両親にこそ、その声を聞かせてあげられないのか
なんとも答えが出ないまま
そのことが今も引っかかっています。
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