#8　はしっこの魔法

爪先、足先。
私の気分を上げるものたち。

ツヤツヤ光る爪。
どんなにシンプルでもその艶やかさが気分をグンと持ち上げる。ネイルは大人の女の証だと幼い私は信じてやまなかったし、今でも街ゆく女性の手をみてはによによしている。

コツコツと音を鳴らすパンプス。
いつもより少し高い目線と身体に響く音が背筋をしゃんとさせる。これもまた大人の女の証と信じていた。いざ履けるような年齢になって、想定よりも音が響くから周囲に配慮してそっと足を下ろす、なんて小心ぶりには自分でも驚いたけど。

少し背伸びしたいとき。相手に合わせて装うとき。
普段の私を捨てて外向きの私を武装するときの強い味方だ。

なにかと身体のはしっこが整えば気分も上がる性質の私。
今日は雨だけれど気分がいい。その理由は足元にあった。

---

驚くべきことに、実に5年ぶりに新品のスニーカーをお迎えした。

サイズぴったり。穴があいてない、軽くて足元から跳べそうな。
ぴかぴかの新品。普段は気にしないけれど、数年ぶりに体感するスニーカーの正しき履き心地はなんと素晴らしいことか。

この「穴があいてない」というのがなによりのミソ。

数年にわたり、先端の穴から浸水するのが常だったせいで、雨の日に外を歩くときは少しでも足が濡れないよう、足先をぎゅっとスニーカーの中で丸める変な癖がついてしまった。

でもそれも今となっては過去の話。
実は、今日が買い替えてから初めての雨で、まったく浸水せず、足先がジャブジャブしないで帰ってこれたときの満足感といったら！😇

願わくば、靴屋にサイズのラインナップをより拡充してもらえますように。そして25センチサイズの民がより救われますように……🙌

さて、今日はここまで。