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オマケ③ :「たくさん恋をしなさい」と先生は言っていた。

☆この記事は、”これから”の企画書③のあとがきとして執筆したオマケ記事です。この記事の最後に企画書へのリンクも貼りますので、ぜひ併せて読んでみてくださいませ。

基本的に、直感をすごく信じています。

この本を読んだら良さそうとか、この会社が合いそうとか。直感って、生まれながらにあるものだと思われがちなのですが、私は少し違うんじゃないかなと思っていて、自分のあらゆる選択や挫折の末に、磨かれていくものだと思います。

私は小さい頃からひとつのものを集中的にこなすのが苦手でした。スペシャリストになれなかったのですね。いろんな方向に興味が引っぱられるから、どうしても集中できなかったんです。びっくりするくらいの飽き性だったんですね。

ひとつのものをじっくり極められる人って本当にすごいと思います。信念を感じますよね。何をするにも一貫性があるから、味方が増えやすいと思います。応援団ができやすいんです。私は寄り道をたくさんするタイプなので、就活は結構困りました。軸は?と言われても「んなのねーよ」と心で毒づいていましたし、実際にそうだったんです。ただ好奇心の赴くままに生きてきたから、軸なんてないんですね。

でも過去の自分がこんなにフラフラしてくれたおかげで、直感だけはすごく磨かれていきました。特に、人や場所に対する直感です。この人なんか死んじゃいそうだなと思った人がまもなくして亡くなったり。この会社なんか嫌な匂いがする、と思った会社が、実は社長が暴君なことで有名だったり。

良い直感もそうです。なんか私に合いそう、とか。この人からパワーをもらえそうとか。そういう直感はすごく当たるし、変な人や場所を選ばなくなりました。

たまにうっかり引いてしまうことがあるのですが、そういう時は体調が悪い時が多いです。あまり寝られていないとか、食べられていない。心が不調な時にアンテナを張ると、変なものを拾ってきちゃうんです。だから、心が不調な時の直感はまったく信じないようにしています。「信じたいよ!!」と心は叫ぶのですが、そういう時こそ頭の出番です。理性ですね。

人間には心と頭があります。心は直感をつかさどり、頭は理性をつかさどる。そして理性は、あまたいる動物の中で唯一人間が持っている機能です。思うに、理性がその役割を発揮する場面は、いきすぎた直感を抑える時なのです。



さて、冒頭からつらつら話してきましたが、この直感と理性の天秤がグラグラ揺れる瞬間が人間には存在しています。恋愛です。

恋という現象は本当に摩訶不思議で、直感と理性のバランスが一気にグチャグチャになってしまうのですね。だからこそ面白いんだけど、当人たちは全く心が落ち着かなくなってしまいます。それも楽しいんだけど。


この天秤が不安定になると、人間はじっとしていられなくなります。誰かに話したくなるし、自分の感覚が正しいのか答え合わせをしたくなります。病院ではなく占いに行きたくなります。病院では恋の診療をしてくれないからです。相手との相性を占って、一喜一憂します。たとえ良くない結果だったとしても、諦めきれません。好きだからです。ヒートアップした直感はどうにも抑えられなくて、理性もこれにはさすがに白旗です。


恋愛における自分の直感って、信じていいかどうか本当に分からないんですよね。未だに分かりません。

もはや、結果オーライだと思っています。どうせ恋愛で直感はコントロールできないのですから、突っ走っていいんだと思うんですね。そこで出た結果から、人は多くのことを学びます。その学びこそが自分の糧になり、直感と理性のバランスを調整する役目にもなると私は思っています。


みなさん、恋をしましょう
高校の担任が離任式で言っていました。
たくさん恋をしてください、と。

グラサンちょび髭ジャージがトレードマークの彼は、きっと今までいろんな恋をしてきたのでしょう。当時はあまり説得力を感じておらず、バツイチが何言ってんねんと思っていましたが、今でもしっかり覚えている言葉です。

覚えているということは、自分の血肉になっているのだと思うんです。恋をすることで人間は、大きく成長する。たくさん泣いて、たくさん笑って、心から信じられる自分に出会うことができる。そのための道しるべが恋愛なのだと。たくさん傷ついて、その度にもがいて、なんとか前に進んで。直感力はその都度磨かれていきます。

逆に、磨かれている実感がない時には、少し注意が必要だと思います。あなたの中で何かがズレているサインだからです。恋愛どうこう、という前に、あなた自身が心の内側で少し、なんと言うんでしょうね、水が心地よく流れていない水路があるのだと思います。そこをまず、しっかり点検してあげて、心地よい流れになるように調整してあげる必要があります。


私も過去、恋愛がなんだかうまくいかないとか、人を好きになっても上手くいく気がしない、みたいな感覚に陥ったことがありました。多分これは無理だ。人と付き合うこと自体が私には無理なのかも、と思っていました。

でも、恋愛の適性があるないを判断するのはまだ早くて、私自身の中で、ずっとほどけていなかったワダカマリがあったんです。それは恋愛の中の話ではなく、自分の話です。抽象的になってすみません。でも、こう表現する他ないのです。そのワダカマリと向き合って、水が心地よく流れる水路を作ってあげた結果、恋愛アレルギーはなくなりました。

恋愛で繰り返し同じつまづきをする時は、恋愛以外のところに何かズレがある。それが私なりの学びであり大きな気づきでした。まずはそのズレを探して、少し調整をしてあげると、また楽しく恋愛に向かうことができると思います。

思うに、こういう自分の中に存在している”淀み”みたいなものに気づけるというのも恋愛の醍醐味なのだと思うんですね。人と真正面からガチンコで向き合います。

あなたが好きになる人です、相手は自分とあわせ鏡のような人のはず。だからこそ、自分の強さや弱さに嫌でも気づくことができます。辛いことでもありますが、それを超えると、よりしなやかで図太い自分に出会えると思うのです。


たくさん恋をしなさい。
そう言っていた先生の言葉を味わえる年齢になってきたなあとしみじみ感じます。


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