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“違うこと”をしない。イキイキと豊か




“違うこと”をしない

自由に生きるとか、好きなことで生きるとかより、ずしんと、お腹に溜まる言葉です。吉本ばななさんの著書のタイトルにもなっています。本が、この言葉との出会いでした。

“違うこと”をしないというのは、やりたくないことをやらないというわけでもなく。好きなことだけするということでもないそうです。

「違うこと」とは、その人の生き方の中で、今ここでするべきではないこと

「違うこと」をしないこと/吉本ばなな 商品説明より


私の場合、「目の前のことが嫌だから、一発逆転を狙って何か大きなアクションを起こしてみる」は今まで散々やっちまった”違うこと”でした。

気持ちが悶々としている時ほど大きな変化を起こしたくなるのは、人間の性みたいなものなんでしょうが、結果が良かった試しがありません。

むしろ今まで乗ってきた流れがぐちゃぐちゃになって、嫌な人ばかり出会うとか、自宅の空気が詰まるとか、暮らしが軒並み歪んで、おぞましい状態になるんですよね。こんなに大変なことになるなら、悶々とした気持ちをぎゅっと抱きしめておけば良かった、と思うほど。

そういった、人生のでっかい反省を経て、この数年でだいぶマシになったのは、日々の自己対話や、トラウマとの和解や、尊敬する方々の言葉や音楽のおかげ。”違うこと”へのアンテナが地道に育っている感覚があります。

それでも、定期的にやらかすのですけどね。つい最近もありました。仕事の調子がすこぶる良くて、副業も夜中まで没頭しちゃって、寝れなくなって。

完全にテンションがおかしくなって「よっしゃSNS発信頑張ってみっか!」と、仕事用のnoteアカウントなんて作っちゃったりして、休日削って何千文字も書いて。

次の日には寝不足で瀕死状態。胃腸の調子がすこぶる悪くて、気持ちもダウン。あー、やりすぎた。調子に乗った、と気づくんです。ほんと、アホンダラです。

でも、以前よりも身体や心がすぐに反応してくれるようになったから、致命的な支障は起きなくなりました。調子が悪くなったら仕事を休んででも、自己対話の時間をガッツリ取って、要調整。1日もあれば心が帰ってきてくれます。

というかむしろ、その自己対話の時間を通して、今までなかった気づきとか発見があるので、非常に有意義な時間になっています。

だから、”違うこと”をしちゃって色々崩壊しちゃう期間も、自分にとっては大事な治癒時間なのだと感じます。もちろん、崩壊期間が長くなると、生活が危うくなるからまずいんだけど。ほどほどにね。


“イキイキ”と”豊か”

自己理解コーチの八木心平さん。「世界一やさしいやりたいことの見つけ方」の著者ですね。あの有名な本。

はじめて読んだのは就活生の頃だったかな。正直あの時はこれ読んでもまーったくピンと来なかったのだけど。

今八木さんはYouTube活動に力を入れてらっしゃって、それがなかなか熱くて、おもろくて、仕事中にラジオ感覚で流すのが最近の日課です。

YouTubeも、最初見た時は「うわあ、熱さと言葉の強さと勢いでどうにか持っていこうとするタイプだ〜ニガテー!」とか思ってたんですが、何度も聞き流しているうちに、八木さんなりの正義や情熱が立体的に見えるようになってきました。

八木さんは、相談者との会話で繰り返し「自分にとっての幸せはなにか」を問いかけていまして、私も、自分にとって幸せって何かしらって、改めて考えるようになったんです。

これまでの人生で嬉しいな・楽しいなと思った瞬間を、思い出せる限りノートに書き出してみました。その経験は、大きく二種類に分けることができたんです。

ひとつは、自分がイキイキしてると感じた経験。

例) 仕事がうまくいってる時
→お客さんへの提案をスムーズに分かりやすくできた時
→周りから感謝されることが増えた時
→すげえ量のタスクを効率的に捌けた時
→良いデザインを作れたと感じた時

そしてもうひとつが、豊かさを感じた経験。

・自分の納得いく演奏ができて、観客の方から「心が洗われました」と声をかけられたとき
→共鳴?シンクロニシティみたいな。
→自分が満たされたら相手も勝手に満ちていた、みたいな。

・悪質な洗脳型の宗教勧誘を自分の言葉で断った時→自己主張による打破・破壊
→自分の中のしこりも破壊した気持ち

・ふと窓から見えた空の、月が綺麗だった時
・大学生の時、冬の寒い日に朝早起きして、外に出た時のツンとした空気
・作ったご飯が美味しかったとき

笑っちゃうくらい、一目瞭然なのですが、豊かさを感じた経験の方が、すごく具体的に記憶しているし、自己表現由来の経験が多いです。あとは自然との交わり。

一方で、イキイキとしていた経験は、どっちかというと他者基準のものが多いかも。人から認めてもらえたとか。「効率」だってそうですよね、スタンダードから比較した時に早いとか、生産性が高いとか、そういうことだから。

私は、イキイキしている時も、豊かさを感じている時も、どちらも幸せだと思うけど、断然豊かさの方が自分の人生にとっては大事なんだなと実感しました。

自分が豊かになればなるほど、お金を稼げる世の中なら、いいのにね。やっぱり、そこは上手くいかないもんですね。上手くいく方法があるなら、嬉しいかもしれないけど、そもそも上手くいくって言葉自体、豊かさとはだいぶ距離あるからなあ。

ここは、もうちょっと、実験と研究を続けてみたいと思います。豊かさで飯は食えるのか問題。探ってみよう。




今後の執筆活動やデザイン・アート活動の糧にさせていただきます。いつか絶対に恩返しするために。