新卒PMが本当にしておくべきことはこの3つだけだった話
honobonoです。
外資系IT企業でPMとして働いていて、最近は新規事業の立ち上げやサービス統合などPM領域を超えてビジネス領域の業務も担当しています。
今回は新卒からPM職として働いた経験をnote にしようと思います。
"PM"で"新卒"というカオス
PM:プロダクトマネージャーと会社では読んでいます。
PMって何?プロジェクトマネージャーとは違うの?という人はこの記事が明解なのでご覧ください
そんなPMとして新卒から働き始めるとすぐに以下のような壁にぶち当たります
・プロダクトについての知識が足りない
・各職種と対等に連携できない
・ステークホルダーの意見が正しいのか判断できない
etc...
そんな状況になったら胃が痛くて仕事どころじゃないですね。(胃痛の方はまずそっち何とかしましょう)
これだけだった!3つのすべきこと
自分もそのような壁にぶつかって試行錯誤していましたが、いくつか企画を任されていく過程で この3つだけ意識すればよかったんだ と思えるシンプルな考えに至りました。
しかもこの3つは新卒PMしかできない戦い方なので、使わない手は無いとhonobonoは思います。
1. Whyだけは伝え切る
PMは各職種のステークホルダーと連携する際に、ある種の共通言語が必要になります。
例えば、法務や情報セキュリティとはサービスの"利用規約"、 "個人情報"、"債権債務" などを。開発側とは、"API設計"、"DB構造"、"各画面のスペック"などを共通言語として話すことになるでしょう。
しかし、最初からそのような各ステークホルダーとの会話に必要な"共通言語"を把握できるものなのでしょうか? はっきり言って無理です。
また、どのような方法で実現するか? 実現プロセスについても理解が及ばない部分でしょう。
ではどうするか? ここでサイモン・シネックが提唱したゴールデンサークルという考え方を利用したいと思います。
ゴールデンサークル理論は、「why・how・whatの3つの円で構成されていて、物事の本質を説明するためのフレーム」である。紹介されているアイデアを一言で言うと、人は 「何を (what) 」 ではなく 「なぜ (why) 」 に動かされるというものです。
https://www.countand1.com/2012/06/goldencircle-why-how-what-leadership.html
さて、このゴールデンサークル理論をPMの仕事に当てはめるのならば
共通言語や実現プロセス=What や How
ということになります。そして、What や How から考えても人が思うように動いてくれなかったり、視野狭窄の施策になってしまう恐れがある、とこの理論は説いています。新卒なら輪をかけて失敗する可能性が高いです。
ではどうするのか?
それは、 実現したい世界 = Why から考えることです。
What や How から考えると失敗するのならば、 Why つまり
・ なぜそれが問題だと感じているのか
・ユーザーがどのような状態になって欲しいのか
・この企画が必要な理由は端的に言うと何なのか
だけを考え抜いてステークホルダーと共有することに集中すればいいのです。そしてありがたいことにステークホルダーである開発者やデザイン、法務や営業のメンバーはその WhatやHowを考えるプロです。実現したい世界観を伝えれば必ずそれに対するソリューションを提示してくれるでしょう。
これを専門的に言い換えるのならば、 **As Is & To Be を提示し、Fit & Gap分析をステークホルダーと共に実施し意思決定するプロセスを実行する **ことです。
再掲すると、新卒PMのやるべきこと 1つ目は
「Whyだけは伝え切る」
でした。
2. 未完成から巻き込む
上記の #1 と併せて意識したいのが 未完成から巻き込むことです。
企画のどの段階においても"完成度"については常に悩まされることかと思います。
課題特定フェーズ / 企画策定フェーズ / 実現プロセス構築フェーズ
どのフェーズにおいても企画というのはいくらでも"練る"ことや、"可能性を列挙"することが可能で、悩めばキリがありません。
下の図を用いて解説してみましょう
左側は、「自分が思う完成の状態」の実態を表現しています。ここで改めて意識しなくてはいけないのは
・自分が思う完成は未完成かもしれない
ということです。完成と言うのだから未完成な訳がないと思う人も少なくはないでしょうが、完成した企画のレビューをしていく中で検討漏れだった箇所やそもそも概念すら知らなかった要素を指摘された経験はないだろうか。
・他者を巻き込んで完成させる > 自力で完成させる
この関係式も納得せざるを得ない事実でしょう。加えて本節の冒頭で述べたように
・完成の状態に近づけば近づくほど多くの時間が必要になる
のです。
上記の要素をまとめると、この2つめの新卒PMがやるべきことが
「未完成から巻き込む」
ことになります。
3. 結論ではなく思考回路を聞く
新卒PMのやるべきこと 3つ目は
・結論ではなく思考回路を聞く
です。ステークホルダーとの調整をしている中で、ついつい以下のようなやりとりをしていることは無いでしょうか・・・
例:ABテスト環境の構築企画
PM:複数のUIパターンをテストできるABテスト基盤を作っておく必要があります。ここは独自に基盤構築することを想定していますがいかがでしょうか?
Dev:いえ、、、まあ、、大丈夫だと思います。問題ありません。
(GTMでoptimizeのタグ入れればすむ話かもしれないが、それだと複雑なABテストに耐えられないし、今後どのようなテストが来ても対応できるようにするには開発するしかないか、、、)
PM:ありがとうございます!では次にこの点について・・・
上の例のPMは独自にABテスト基盤を構築することの合意をとることには成功しました。しかし、Dev側の思考回路を聞くことはしていません。そのために
・他の代替案:Google Optimize タグをGTMで入れる
・結論を選んだ理由:今後どのようなテストが来ても対応できる
などの周辺情報を汲み取ることに失敗しています。
さきほど紹介したゴールデンサークル理論の why・how・what の概念をここでも用いて整理してみましょう。
図にあるように、
・結論だけ聞く = "1つ"の解決策が"何か"しか知ることができない
一方で
・思考回路を聞く = "代替案" や 解決策を選んだ背景・理由を知ることができる
ことが分かります。
この3つ目がPMが成長する上で実は一番重要です。なぜなら、他の2つは今のプロジェクトを"円滑に進行するテクニック”ですが、3つ目は"自分の中にスキル・知識を蓄積させるテクニック"だからです。
まとめ
1年間新卒PMとして苦労する中で実感したことを今回noteにしてみました。
最後におさらいすると、新卒PMが本当にしておくべきことは
・Whyだけは伝え切って、まわりの理解を得る。
・未完成から巻き込み、プロジェクトの完成度を高める。
・思考回路を学び、自分の中に落とし込む。
の3つでした。この気付きがPMとして悩みを抱えている人の助けになればと思っています。(なお、honobonoもまだ出来ていないので一緒に頑張りましょう笑)
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