麦秋

秋色に染まった麦畑、束の間の麦秋ですが、梅雨の合間に一斉に刈り取りが始まりました。

半年間育てた麦が、収穫のタイミングひとつで土の肥やしや鳥の餌となっていきます。天気を睨めながらここぞとばかり収穫を進めていきます。麦だけでなく、この時期の収穫を迎える玉ねぎ、ニンニク、ジャガイモなど神経を使いながら少しずつ取り込みを始めます。土づくりをして、種をまき、手塩に育てて、収穫し、時に貯蔵し、食べる出荷する、喜びの周りには絶えず失敗やドラマであふれています。

雨が降り始めたらサツマイモの苗の定植など、雨でも晴でも何かその天候にあった作業を進めていきます。狙い通りいけば、うれしくもあり、ときに上手くいかず、しらずしらずのうちにイライラしているようです。自分では気づかなくても周りの人や野菜は気づいているのですね。


合間をみて、梅の収穫をしています。昨年畑のど真ん中にある梅の木が作業の邪魔になって、今年こそは切ってやって畑にしようと 心になかで思いました。するとまあ、今年はわんさか梅をつけています。そんなことはなかろうと思いながらも、自然は傍にいる人々の心を感じているのではないかと思わずいられません。

「ありがたい、ありがたい」と思いながら、剪定して、堆肥を入れて…。

また来年もと思いながら。

山口敦史

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