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北山あさひさんの『ヒューマン・ライツ』を読んだ話。

北山あさひさんの歌集『ヒューマン・ライツ』を読みました。(2周しました)

以前、【3行日記】でも愚痴りましたけど、短歌の本って図書館にほぼほぼないんですよね。一般書店にもあんまりないから、置いてちょうだいよ、と言いたい。
北山あさひさんの『ヒューマン・ライツ』は、新聞の書評で気になって、でも図書館に入ってないし、行動範囲内の書店にも置いてなかったので、家族に買ってきてもらいました。中身を確かめずに買うって、めっちゃ勇気いったけど、よい歌集でした。

そもそも、私が興味をもったきっかけが、この短歌です。

『「育ちがいい人」だけが知っていること』という本ぜんぶ燃やして焼き芋

北山あさひ『ヒューマン・ライツ』

豪快ですよね。
かっこいい。
こんな短歌を読む人を、好きにならないわけがない。

他にもいい短歌がいっぱいあって、2周目に読みながら、気になる短歌を書きだしていたんですが、書き始めたら止まらなくなって……。
でも、こうして書いてみると、歌人の特徴が見えてくるだけではなく、自分がどういう言葉を気にかけているのか、それも見えてきます。

例えば、こんな歌を書きだしました。

海峡を一週間で渡りきる桜の神のゆるい背泳ぎ
境内の横で奇妙な体操をしている男 黒ずくめ 見ず
歩道へとせり出しているヤマボウシ有観客無観客許可局
怒っても怒っても怒っても怒っても怒っても 届かない

北山あさひ『ヒューマン・ライツ』

北山あさひさんの特徴は、反骨精神だったり、予想の斜め上を行く言葉選びだったり、自由さだったりすると思います。なんて、短歌よく知らない奴が恥ずかしげもなく言うよね。すみません。

でも。
歌人の人がつくった短歌を、読者が模写する。その行為は読者にとって、自分のために書くことで、詩歌って読むだけでなく模写することで、己の心に響いていくんだなというのを実感しました。
何度も音読する、というのも同じ。

歌集って、短編集なんですよね。
著者の世界観が、五七五七七前後の中に、ぎゅっと詰まってる。
それがたくさん。
書きだすことで、好きな世界観をてのひらに収めることもできる。

私の短歌の読み方は邪道かもしれないけれど、まあ勘弁してもらうとして。
これからもいろんな歌集を読んでみたいので、図書館さん、ぜひ入れてください。お願いします。

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