デジタル時代にこそリアルで旅すべき5つの理由。10冊の本と考える、旅が私たちにもたらすもの【Business Insider連載】
何もかもが加速化し、大量の情報があふれる時代だからこそ、本という「スローメディア」が担える役割は大きい。松岡正剛氏が所長を務める編集工学研究所がナビゲート役となり、毎回のテーマに紐づく本を選書して紹介。
旅がヒトをヒトにした
思えば、人間は、ずっと旅をしてきた生き物だ。
もともとアフリカの森林で暮らしていた人類の祖先は、あるとき森林の外の草原に飛び出した。二足で歩くようになって長距離移動が可能になり、道具を使うことで多様な環境に適応する力をつけていった。
もといた環境から押し出された弱い集団が、新しい場所でなんとか生き延びようと試行錯誤を繰り返し、地球上に拡散して、多様な文化を育んだ。人類の歴史って、そういう積み重ねなのではないか—— 。
そう見るのは、ゴリラ研究者の山極寿一さんと探検家の関野吉晴さんの対談録『人類は何を失いつつあるのか』だ。
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▼記事で紹介した本
『人類は何を失いつつあるのか』山極寿一, 関野吉晴(著)朝日新聞出版 2022
『弱いつながり─検索ワードを探す旅』 東浩紀(著)幻冬舎文庫 2016
『旅の効用: 人はなぜ移動するのか』ペール・アンデション(著), 畔上司(訳)草思社 2020
『旅行の世界史─人類はどのように旅をしてきたのか』森貴史(著)星海社 2023
『ビジュアルアトラス 辺境見聞録─世界の果てを見てみたい』ブルーノ・レゲ(著) 清水玲奈(訳) 日経ナショナルジオグラフィック 2024
『世界ぐるぐる怪異紀行: どうして”わからないもの”はこわいの? 』奥野 克巳(監修・著), 川口 幸大, イリナ・グリゴレ, 近藤 宏, 平野 智佳子, 福井栄二郎, 藤原潤子, 古川不可知, 村津蘭(著)河出書房新社 2024
『地球の歩き方 ムー-異世界(パラレルワールド)の歩き方』地球の歩き方編集室(編)学研プラス
『ウォークス─歩くことの精神史 』 レベッカ・ソルニット(著) 東辻賢治郎(訳)左右社 2017
『 旅する地球の生き物たち ヒト・動植物の移動史で読み解く遺伝・経済・多様性』ソニア・シャー(著) 夏野徹也(訳)築地書館 2022
『人類は宇宙のどこまで旅できるのか』レス・ジョンソン(著) 吉田三知世(訳) 東洋経済新報社 2024