山口、天才詩人の故郷 在りし日の中原中也──「ひととき」2024年12月号特集のご紹介
日本の近代文学史に大きな足跡を残した詩人・中原中也──。30歳で夭折した彼が16歳を迎える春まで過ごしたのは、山陽路随一の温泉郷として栄えた山口市湯田温泉でした。詩歌書専門の古書店主でエッセイストの内堀弘さんが、生家跡に立つ中原中也記念館をはじめ、ゆかりのスポットを巡ります。今日に残る貴重な資料を足掛かりに、彗星のごとく駆け抜けた中也の生きざまに光を当てます。
<特集担当より>
ご執筆いただいた内堀弘さんは、詩歌書専門の古書店主という職業柄、中也にまつわる資料に対する解像度が極めて高く──もちろん、それは存じ上げていたつもりでしたが、想像を軽く超えてきて、現場で驚かされました。中原中也記念館で貴重な収蔵品と対峙する内堀さんが雄弁に語る姿を目撃した同行のカメラマンは、さながら「名推理をする探偵のよう」と称していました。紙背を読む力、温かな眼差し……両者を併せ持つ内堀さんにしか書き得ない内容になったと思います。
また、2025年2月公開の映画『ゆきてかへらぬ』で16年ぶりにメガホンをとった根岸吉太郎監督のインタビューも必読です。この作品は、実在した女優の長谷川泰子を主人公に、中也と評論家の小林秀雄、男女の三角関係を描いた青春ストーリー。試写会でひと足早く拝見してきましたが、予習として(?)本特集を読めば、より深〜く味わえること、間違いなしです!
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