捨て城であるなら拾ってしまおう|『超約版 家康名語録』より(3)
捨て城であるなら
拾ってしまおう『三河物語』
大高城を引き払った元康らは、松平氏の菩提寺である大樹寺に入った。本来の本拠地である岡崎城はすぐ目の前だったが、元康は戻ろうとしなかった。岡崎城には今川方の武将が入っていたからだ。
じっと時機を待つ元康の前で、今川方の武将は岡崎城から立ち去っていった。これを見た元康は「捨て城であるなら拾ってしまおう」と言い放ち、岡崎城へ入る。奪い取ったのではない、捨てられたものを拾っただけだ。だから今川方に対して反旗を翻したわけではないのだ、と