“ちょうどいい”町へと連れて行ってくれる、奇跡の電車(勝山・えちぜん鉄道)|終着駅に行ってきました#4
かつて織物の産地として名を馳せ、近年は、恐竜の町として再注目される町、勝山。白山連峰からの雪解け水が流れる静かな町に、奇跡の復活を遂げて、コトコト走る鉄道で訪れるとそこには人との繋がりを大切にしながら、背伸びせず、いいものを作り出す人たちがいました。〔連載:終着駅に行ってきました〕
文=服部夏生 写真=三原久明
昼下がりのえちぜん鉄道の電車には、女性の車掌が乗っていた。車内を忙しく動き回り、乗客ひとりひとりに声をかけ、無人駅から乗ってきた客には切符を発行し、降りる際にひと