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おすすめの書籍

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ウェッジから刊行された書籍の中から、ほんのひとときがおすすめする、旅や文化・歴史に関するものをご紹介していきます。
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#聖徳太子

4月8日は、仏教の日。

4月8日は「仏教の日」です。 お釈迦様が旧暦の4月8日に生誕したという伝承に基づき、2014年に世界41カ国の仏教指導者が集った仏教サミットで定められました。6世紀に日本に伝わった仏教は、日本文化を語るうえでも欠かせない存在として、私たちの生活の至るところに影響を与えています。 ここでは、そんな仏教にまつわるおすすめの書籍7点をご紹介したいとおもいます。 仏像に会う 53の仏像の写真と物語 西山 厚 著 美しい仏像には、たくさんの願いが託されている。仏教美術史学者の

「聖徳太子」と「最澄」のメモリアルイヤー 二人の実像と足跡がわかる2冊

2021年は聖徳太子が没後1400年、最澄が没後1200年という節目の年でした。2人が生きた時代は離れており、両者に接点はないように思われますが、じつは最澄は中国の天台山から帰国した後、四天王寺の太子殿を参詣したことが知られています。 日本で天台宗を広めることになった最澄ですが、自分が慧思*や聖徳太子の系譜に連なって「法華経」の正しい教えを継ぐ者であることを自任し、太子を深く敬慕していたのです。 *慧思:中国、南北朝末期の高僧で、天台宗の事実上の開祖 ここでは2人が生き

読書で歴史探訪のミステリーツアー 『古社寺の謎シリーズ』で日本史の謎に迫れ!

明治維新の真っ只中、文明開化による目新しいものへの興味関心が高まるとともに、日本古来の伝統文化を「旧物」として軽んじる社会風潮が生まれます。特に宗教視点では「神仏分離令」によって廃仏毀釈の活動が活発化し、歴史ある寺院の仏像や古文書、建造物や美術品などが大量に破壊されたり、海外への流出が後を絶ちませんでした。のちに政府が主要な古社寺(こしゃじ)に保存金を交付して維持・管理したり、歴史的・美術的に価値の高い建造物や宝物類を「国宝」などに指定しながら保護してきたのには、そのような経