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ウェッジから刊行された書籍の中から、ほんのひとときがおすすめする、旅や文化・歴史に関するものをご紹介していきます。
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2021年12月の記事一覧

日本武尊と芭蕉に“挨拶”した場所|対談|小澤實×浅生ハルミン#1

芭蕉も私も三重県人ですが…小澤:浅生ハルミンさんは、『芭蕉の風景』を装丁されたデザイナーの山口信博さんにご紹介いただきました。山口さんが主宰する折形デザイン研究所の句会に見えていたんですよね。 ハルミン:そうです。山口さんとは、展覧会のポスターのイラストをご依頼いただいたのが最初で、お仕事ではもう二十年以上お世話になっています。 小澤:かわいくて、すごく気に入っている表紙です。山口さんの提案で、「澤」*と込みで依頼したんです。二年間、句誌の表紙を描いていただいて、終わる頃

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 北条義時とその時代がわかる2冊

2022年大河ドラマの主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。主演が小栗旬、脚本が三谷幸喜ということもあり、放映前から話題を呼んでいます。源頼朝の妻・北条政子の弟である義時を、三谷氏がどのように描くのか注目されます。ここでは義時とその時代を理解するうえでお薦めの2冊をご紹介いたします。 執権義時に消された13人 闘争と粛清で読む「承久の乱」前史榎本 秋 著 激動の時代に「一人勝ち」した北条義時。ドラマのタイトルにある「13人」は鎌倉時代初期の合議制メンバーを指しますが、時政・

「聖徳太子」と「最澄」のメモリアルイヤー 二人の実像と足跡がわかる2冊

2021年は聖徳太子が没後1400年、最澄が没後1200年という節目の年でした。2人が生きた時代は離れており、両者に接点はないように思われますが、じつは最澄は中国の天台山から帰国した後、四天王寺の太子殿を参詣したことが知られています。 日本で天台宗を広めることになった最澄ですが、自分が慧思*や聖徳太子の系譜に連なって「法華経」の正しい教えを継ぐ者であることを自任し、太子を深く敬慕していたのです。 *慧思:中国、南北朝末期の高僧で、天台宗の事実上の開祖 ここでは2人が生き