日本人の心を揺さぶる“朽ちの美”|花の道しるべ from 京都
水落ちして変色した蓮の枯れ葉には、独特の存在感がある。金属製の舟形花器に枯れ葉を立ち上げ、そこに明るい色合いの秋草を添えてみた。明暗の対比で、枯れた葉の存在感が一層際立った。
古来、蓮には「三世」と呼ばれるいけ方が伝えられている。三世とは現在、過去、未来の意。高さの異なる3本の枝で構成するのだが、丸く開いた葉、朽ち葉、そして「角葉」と呼ばれる開く前の巻き葉の3種を合わせいけ、それぞれが、現在、過去、未来を象徴する。ちなみに、3本の花で三世を表現する場合は、開いた花が現在、花