源氏物語から抜け出してきたような高貴な花、藤の二面性|花の道しるべ from 京都
「そろそろ色づいてきたね」。
家の近くの公園。子供たちと、藤の花が開くのを今か今かと待ちかねる。ジャングルジムに上るとちょうど正面に、藤棚がある。母校の中庭にも藤棚があった。藤は案外、身近な花だ。
一方、花材としての藤は、貴重で高価だ。小花が長く垂れ下がる姿は趣があり、品格がある。その優美な風情は格別で、源氏物語の世界から抜け出してきたかのような王朝の雅を感じさせる。桜や青楓と取り合わせるのもよい。
藤は、身近な花でもあるが、品格を感じさせる高貴な花でもある。美しさに変