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いつだって恋愛が私をおかしくさせる=自分史⑨=

カウンセラーさんからの卒業の一言を鵜呑みにして、
私は晴れやかな気持ちで過ごしていました。
仕事も週5働けるようまずは派遣社員に。
そこからご縁があって久しぶりの正社員の職につきます。

まるで初めての業界・職種でしたが上司に恵まれ、職場で少しずつ役に立てる喜びを取り戻し、やっと“レール“に戻った、そんな気持ちでいました。
とはいえ、学生時代の同級生は結婚・出産ラッシュ。焦りがないとはいえないけれど、まずは自立への一歩を踏み出し自分としては前途揚々な船出です。

しかし、どうしてもいつも躓くポイントがある。。。
それはずばり、“恋愛“。

それまでの恋愛だって決して上手くいっていたわけじゃないけれど、カウンセリング卒業してもう羽ばたけるはずなのに、恋愛がうまくいかなくなると途端に調子を崩してしまう。
相手と別れた方がいいかどうか悩んでいただけで鬱症状がぶり返し、一週間休職したこともありました。

そんなある日、知人がこう呟きました。

「私昨日彼と別れてさー、スッキリしちゃったよ」

当時の私には、別れは「自分の身を相手から引き裂き血を流すくらいの痛み」を感じる大変な作業でした。それなのにあの子は別れた翌日にケロっと他人に話している・・・自分が感じてきたものと彼女の表現とのギャップに痛烈なショックを受けたのを覚えています。

今振り返れば、彼女だって傷ついていたかもしれない。
彼女の内心なんて慮る術がない。
だけどその当時の私はその彼女というモノサシで自分を測り、「私の中の何かがおかしいに違いない」と確信。会社近くの心療内科に自分の意思で通うことを決めました。

通い始めた心療内科で、素晴らしいカウンセラーさんとの出会いを果たすわけですが、行き始めた当初私にはお目当ての治療法がありました。
それはEMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)という、目の動きを利用して過去の記憶の整理を行うものでした。当時NHKでうつの諸症状が軽減されたと特集が組まれており、それができることを一つの条件にして病院を選んだのです。その方法ならきっとこの私の中の、特に恋愛でおかしくなる生きにくさがなくなるに違いない。そんな希望を持って。

しかしながら現実は、「私の症状にはEMDRはおそらく効果が薄いだろう」と希望を打ち砕かれ、号泣するところから自分との向き合い第二章をスタートさせることになったわけです。

(続)

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