【エッセイ風】フィクションが思考実験ならモルモットは会社に行くけど?
「フィクションは思考実験。とある仮定のもとで、舞台セットと登場人物を配置する。それぞれの物性によって、柔らかさや跳ね返り係数、熱伝導率がちがう。準備が出来たら、作家の指先で、とん、と球をはじき、初速v(0)を与えてあげればいい。そうすると物語は物理法則にのっとって、ひとりでに動き出す。複雑な系だから、実際に動き始めるまで次の瞬間の予測はたたないも同然なんだ。実世界では起こり得ない、突拍子もない仮定から得られる結果が、思わぬ示唆をもたらすこともある。実験装置の運動をつぶさに記