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組織の一員として取るべき行動を決める6つの「行動指針」

会社という組織が事業を展開していくのも、各メンバーが仕事を進めるのも、常に意思決定の連続です。それぞれのシーンでどういう行動をするか/しないかを選択し、実行する内容を決定していきます。

本気ファクトリーでは、組織の一員が取るべき行動を決める指針として、以下の6項目を掲げています。

1.変化し続ける世界に適応するため、常に成長し続ける
2.不可能な完璧を目指すより、今できる最大を
3.物事には複数の可能性があることを前提に備えよ
4.権限と責任はセット。責任を果たすことは改善し続けること
5.モチベーションは成果の付随物。成果を出すための行動に集中せよ
6.判断基準は外形的にわかるものを採用する

この記事では、それぞれの項目について詳しく説明します。

「行動指針」は何のためのものか

ここに掲げた行動指針は、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)のうち「バリュー」にあたるものです。

「バリュー」は「価値観」と和訳されることもありますが、個人的な価値観を曲げるよう強制するものではありません。あくまで「本気ファクトリーで仕事をするにあたっては、こういう価値観に則って業務上の行動を選択してくださいね」という指針として示しています。

物事には正しいことと間違っていることがあるわけではなく、良い/悪いは個々の価値観によって人間が作り出すものです。業務上の行動も同じで、「必ずこうするのが正しい」という行動はありません。

例)
クライアントから値引きを要求された場合
 →値引額やそのクライアントとの関係性、業務内容によってとるべき行動は異なる
何かのミスをした場合
 →ミスの内容や影響範囲によって適切な対応は異なる

このような細かい条件分けすべてを網羅して「この場合はこうする」と予めルールを決めるのは、事実上不可能です。仮にできたとしても、膨大な量のルールをすべて覚えることは困難でしょう。

ですから、大枠の方向性だけ指針として決めておいて、それぞれの場面で各自が指針に沿って判断できるようにしたものが、今回ご紹介する「行動指針」です。

1.変化し続ける世界に適応するため、常に成長し続ける

世の中は常に変化し続けています。自分では現状維持しているつもりでも、相対的に見ると劣化していることになります。

日本人の学習時間は1日平均6分だと言われています。しかも日本の変化よりグローバルの変化の方が大きいので、結果として世界から取り残されているのが今の日本の状態です。

劣化しないためには、常に新しい知識を身に付けるべきです。知らない言葉があったらすぐに調べる、学習できる機会を逃さない等々、手段はたくさんあるでしょう。

1つ注意したいのは、新しい知識を身に付けるには、インプットだけではなくアウトプットするのが大事だということです。Webで調べたり本を読んだりしてインプットするだけではなく、自分で手を動かしてアウトプットし、それを他者の評価に触れさせてはじめて自分の立ち位置や状況が分かります。

もちろんアウトプットのためにはまずインプットする必要があるので、両方をバランスよく行う必要があります。誰かに教えることは一番のアウトプット方法です。自分の理解力不足や暗黙知で言語化されていなかった部分が見えるようになります。

2.不可能な完璧を目指すより、今できる最大を

完璧なアウトプットができるのは、何が完璧なのかを知っている完璧な人間だけです。しかし、完璧な人間なんてこの世に存在しません。

完璧なアウトプットが事実上不可能ならば、今自分ができることの中で最大だと感じることをやるしかありません。完璧でなくても、少しでもクオリティを上げることはできます。

「自分が納得するものじゃないと出せません」と納期を遅らせるのは、美徳でもなんでもなくただのわがままです。「自分に完璧なものが作れるという間違った認識」「そもそも納期を守れていない」という2点において、ビジネスパーソンとしてふさわしくありません。

納期までに自分が納得いくクオリティのものが作れなかった際にやるべきことは、それが今の自分の実力だと認め、より高いクオリティのものを出すには何をすべきだったか反省することです。

3.物事には複数の可能性があることを前提に備えよ

仕事において、正解のある問いはほとんど存在しません。そして、正解のない問いに対処する方法として人間が生み出したのが「PDCA」です。

よく「PDCAを回す」と言うように、結果を踏まえて再挑戦するのが前提の手法です。PlanしてDoしてみて、Checkした結果が予想と違っていても、それは失敗とは言いません。改善のActをして、次のPに進めばいいだけです。

ですから、何らかの正解があるのだと思い込んで「正解を出せなかったらどうしよう」と思い悩んでも無駄なのです。予測と違う結果が出る前提で、複数の可能性を考えて「こうなった場合はこうする」と対応策を用意しておくのがPDCAのPです。

なお、Pする際には自分に都合の悪い可能性をないものとしてはいけません。可能性がゼロでない限り、どんなことも起こり得ます。

もちろん、どんなにいろいろな可能性を考え抜いても、想定していなかった結果になることもあるでしょう。その場合はまた新たな選択肢を考えればよいだけです。

新たなPに進まず「諦める」という選択をすることを「失敗」と呼びます。逆にそれ以外は失敗ではないので、行動の結果が予想と違っていたからといって絶望することはありません。

4.権限と責任はセット。責任を果たすとは改善し続けること


会社組織が立ち上がったその瞬間は代表取締役が全権限を保持し、執行業務を担当します。が、メンバーができれば業務や権限を移譲することになります。階層が増えればマネージャー→アシスタントなどと権限が移譲されていきます。

この際、権限が委譲されていくのと同時に責任の所在も移っていきます。逆に、権限が委譲されないならば責任の所在も移りません。

例えば、代表取締役がマネージャーAに「営業目標を達成せよ」と指示したとします。代表がAに実行手段を選択する権限を与えたら、Aは権限を得ると同時に適切な手段を講じて目標を達成する責任を負います。

もしAに権限を与えず、代表が手段を選択して「こうやりなさい」と命じるならば、手段選択の責任は代表が負い、Aは指定された手段の中で工夫をして目標を達成する責任のみ負います。手段の是非に対する責任をAが負うことはありません。

Aがさらに部下α・β・γに業務を割り振った場合も同様に、権限が委譲されるとセットで責任も負うことになります。

権限を下流に委譲したら上流には責任がなくなるわけではなく、「自分の権限により『その人に権限を委譲する』という選択をした」という責任を負います。上記の例ならば、代表取締役は取締役Aの任命責任を負い、取締役Aは部下α・β・γの任命責任を負い、部下α・β・γは与えられた権限の中で実行結果に責任を負います。

この例でもし営業目標が未達だった場合、誰かひとりではなく、それぞれの権限を持つ人が自らの権限に応じてして責任を取ることになります。権限がないのに責任を取らされることはないし、権限はあるけど責任は取らないということもありません。

なお、「責任を取る」とは、起こった問題を解決するための次のアクションを決めて、自分の権限において動くことを指します。人員配置の権限と責任を持つ人ならば配置換えや与えた権限の見直し、実行手段を選ぶ権限と責任を持つ人ならば手段の再検討などです。失敗した人だと非難されたり、なんらかの罰を与えられることが責任を取ることではありません。

このような権限の階層構造において、上流にいる者は下流に対して指揮命令をしますが、これは「偉いから」「正しい判断ができるから」という理由で指揮命令をしているのではありません。指揮命令系統と人間的な優劣は関係ありません。

正解のある問いがない中でPDCAを回して大人数の組織を動かすには、誰かがPしてDしなくてはならないので、その役割を上流の人間が担っているだけです。例えば、野球チームでそれぞれの選手が自分のやりたいポジションをやりだしたら収集がつかないので、監督という役割を置いて選手を従わせる権限を与えているのと同じです。

それはあくまでチーム運営という業務のための役割分担であり、監督が人間的に優れているわけでも、選手を人格的な部分まで服従させられるものでもありません。

5.モチベーションは成果の付随物。成果を出すための行動に集中せよ

モチベーションが高いからうまくいくのではありません。うまくいっているからモチベーションが高くなるのです。

だから、モチベーション自体にアクセスしようとするのではなく、「目標に向かって上手く走れている」と感じられる状態を作れば、結果的にモチベーションも上がります。その状態を作るには、「適切な目標設定」と「成功確率を上げる作業」が必要です。

適切な目標設定は、マネージャーがやるべき仕事です。対象者の今の実力に対して、120パーセントぐらいの目標を設定します。低すぎればパフォーマンスを発揮できないし、高すぎれば達成できません。達成が難しいと感じれば「上手く走れている」と実感できないので、パフォーマンスが下がります。

100パーセントでなく120パーセントなのは、目標達成のために努力している期間中に成長する可能性があるからです。100ぴったりに天井を作ってしまうと、成長の可能性を奪うことになります。

目標達成までにはいくつもの作業があり、ひとつひとつ成功させていくことで目標を達成します。ですから、それぞれの作業の精度を上げることが目標達成の確度につながります。時には「そもそも別の作業をやったほうが成功確率が上がる」といった作業自体の見直しも必要になるかもしれません。

このように、「モチベーションが低い」と感じたときにやるべきことは、「目標に向かって上手く走れている」状態を作ることです。「気合を入れ直す」などではありません。

本気ファクトリーでは、メンバーのモチベーションを高めるために会社が何かをすることも、メンバーのモチベーション管理をマネージャーに求めることもありません。やっているのはあくまでパフォーマンスの最大化で、モチベーションは後からついてきます。

6.判断基準は外形的にわかるものを採用する


仕事において何かを評価・判断する際、判断基準は数値など外から判断できるものにします。

人材の評価や自身の成長度の把握、施策の効果測定等々、何かを判断する機会は多くあります。その際、目に見えないものを判断基準にするべきではありません。

例えば「がんばっているか、がんばっていないか」は外から判別できません。口だけ「がんばってます!」と言っていても実際はがんばっていない人もいますし、表面上そうは見えなくても実は必死にがんばっている人もいます。

だから、目に見えない「がんばっているかどうか」を判断基準にはしません。基準にするのはあくまで目に見えるアウトプットのみです。

世の中には「やさしい」「賢い」のように数値化できない価値もたくさんあります。これらの価値を否定するわけではありません。ただ、どうしても判断基準として用いたいのであれば、具体的な事象を元に数値などで観測できるものにすべきだ、という話です。


本気ファクトリーのメンバーは、このような価値観・行動指針に基づいて日々行動しています。個人としての人生観や価値基準は違っても、会社として動く際には同じ価値観に基づいて動くことで、目標に向かって一緒に上手く走っていけるのではないでしょうか。

我々は「起業の教習所をつくる」というビジョンに向かって一緒に働く仲間を募集しています。この価値観に共感してくださる方、少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ一度お話ししましょう。

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