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パネリスト裏話

8月25日(土)の「未来東京大会(夏の全国大会)」の1日目にパネリストをさせていただいたのですが、そのときの資料集めとかで面白かったこと、困ったことなどを、てきとうにメモしてみます。
なお、2日間の大会中に私が撮った写真はこれ ↑ 一枚だけでした。どんだけ……。

◆筆名の変更ってたいへん

今回は、創刊の頃の「未来」を読み直す(1951年~)、という企画だったので、古い「未来」に触れる機会が多かったのですが、筆名が変わってて途中まで気づかなかった、というひとがチラホラいらっしゃったよー。
実は私、準備期間中に「今回のひとたちの中で、福田節子さんの歌だけ事前に全く読めなかった~もどかしい~」(←福田さんは「未来歌集」に参加してない&創刊号復刻版にも載ってない)って思っていたので、大会当日に飯田さんが「福田節子さんの初期の筆名は角律子で……」と仰ったのを聞いたとき、たぶん壇上でちっちゃくずっこけたと思う。そりゃ探してもないわ!
他にも、このような改名があります。まだあったはずなので、思い出したら追記するかも。

  黒田陽子 → きさらぎあいこ
  我妻泰 → 田井安曇

◆OCR技術の進歩すごい

今回、発行所にある「未来」(保存版)の紙面を写真に撮ってきて、それを自宅で文字起こしする、というのが最初の作業だったのだけど、googleドライブまじ有能だった。

参考:意外と知られていない「Googleドライブ」OCR機能で文字起こし検証
https://webkikaku.co.jp/blog/webservices/googledrive-ocr/#GoogleOCR

縦書きでも認識してくれるんだぜ……?
ただし、「ゑ」「晝」などの旧字・旧漢字はほぼ100%読み取りミスする(てきとうな文字に置換される)ので、今回は「ぜんぶ手打ちするよりは楽だけどそこそこめんどい」感じだった。
あと、初期の「未来」は、一行に入りきらない文字を「月曜ゅぅぅっはよ金曜」みたいな突然のフォント小化で押し込んでくるので、その辺も誤認識の元になったりした。

◆旧漢字よめない

これは私の勉強不足が露呈した形。あちこちで書いたけど、例えばこういうのを今回初めて知りました。

  書 ← これは書
  晝 ← これは昼
  畫 ← これは画

◆60年前とは

これは雑感。
当日の資料で、「当時の歌壇の動き/世界の動き」みたいな年表が配られた。1950年~1960年の。
で、今回って「創刊期の女性歌人特集」ということで、歌もわりあい「戦後の男女同権化」「女性の社会進出」と関わってくる部分が多かったんだけど。
その頃の出来事として、わりと最近知って衝撃的だったことがあって、それは「生理用ナプキンが初めて国内で発売されたのは1961年」ということなんですよ。それまでは、月経帯とか脱脂綿とかで色々やりくりしていたという。

参考:アンネナプキンとは
http://nunonapu.chu.jp/naplog/annenapkin1.html

やー……まだそんなだったのか、と。そんなんで「社会進出を!」とか言ってたのかと。
まぁ、これは技術の進歩に寄るところも大きいので、単に男女が云々という話ではないのかもしれない。紙おむつが発売されたのもその頃だし。
とはいえ、2018年の今ですらドラッグストアでピルが買えないわけで(悶々)。

◆そのほか

・一昨日くらいに届いた「未来9月号 800号記念特集号①」の、特集記事のタイトルが「未来歌集2018①」で、あの「未来歌集」から連なっているものなんだなぁ……とグッと来ました。

・当日、「自分は壇上にいて、客席に座っている選者に発表を聞いてもらっている」というのがなんかわけわからなくて頭がバグりそうだった。あと、自分が喋っているとき、選者のひとたちが何かをメモしているのが見えて、「えっ、ちょっと、なに、やだー///」ってなった。(実際はもっとテンパっています)

・いつもの大会だと、講話や鼎談の時間って、「いま話題にあがってる人の名前が聞き取れない……」レベルで知識不足がヤバいんだけど、今年は「わかる……わかるぞ……!」ってすごくテンションがあがった。ムスカが飛行石を手に石版をなぞってるときって、たぶんあんな気持ちだったんだろうなぁ。

・懇親会(立食ぱーちー)でのデザート争奪戦、年々激しくなってない?

・過去の「未来」の編集後記なども摘まみ読みしたのだけど、「今月から旧漢字やめるよー」みたいなお知らせがサラッとあったりして、色んな意味で激動の時代だったんだなぁと思った。

・「未来」のウェブサイトから、過去記事のタイトルや人名が検索できるのが、すごく便利で助かりました。感謝!

・大会に参加したひとは、改めて『岡井隆と初期未来』(大辻隆弘)とか『わが告白』(岡井隆)を読み直すと超はかどるから読んで……!大辻さんの本は、手配が間に合わなくて「当日の朝、他のパネリストからお借りして読む」という暴挙に出たんだけど(今は自分のが手元にあります)、色んなモヤモヤが氷解して気持ち良かった。「もっと早くに読むべきだったなぁ」という気持ちと、「無知ゆえにいろいろ妄想できてそれはそれで良かったのかも」という気持ちが半々。

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