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オランダで初めて救急車のお世話になりました

先日、オランダで初めて救急車のお世話になりました。
僕ではなく三女がなのですが。

というのも、三女が体操の大会に参加中、段違い平行棒の低い方のてっぺんから高い方に跳び移るという大技の際に、握力が保たなかったのか、身体が折り畳まった状態で下のマットに後頭部から落下してしまい、演技を継続することが不能になってしまったのです。

落下直後、三女は涙目で胸の辺りを押さえ、かなり痛みのある表情で、数人の体操コーチ達に促されながら会場である体育館の端に退場したので思わず応援席から駆け寄って「大丈夫か?」と声をかけました。

三女は涙を流しながらも「大丈夫」と返してくれましたが、体が半分に折れ曲がり首に全体重が乗った形だったので、これはマズイとかなり不安が過ぎりました。

大会主催者が駆け寄って来てオランダ語で三女に「左に首を曲げてみて、右に曲げてみて、上を向いて、下を向いて」と指示し、三女はそれに従って首を動かしたので首の骨は折れてはいないのだろうと少しだけホッとしましたが、すぐに病院へ連れて行く準備を始めました。

妻はその間、土曜日だったのでハウスアーツ(ホームドクター)の時間外窓口に電話をかけてくれていたのですが、電話口に出た担当者に状況を説明したところ「首は怖いので今から救急車を走らせる」と急遽救急車が体操の大会会場へ来てくれることになりました。

しばらく三女の側に居て、途中退場しようと様子を見ていましたが、三女は痛みよりも技を失敗したことにショックを受けている様子だったのですが、次々に声をかけてくれる仲間達に気丈に返事をするまで回復し、丁度段違い平行棒が最後の種目だったので、自ら表彰式まで残ると言った三女を尊重することにしました。

そして採点集計の為、出場者は更衣室等へ一旦退場したのですが、主催者のコーチが家族総出で応援席を陣取っていた我々の元にやって来て、座っている四女に向かって「大丈夫?問題ない?」と声をかけて来たので瞬時に三女と間違えてるんだなと察知して、「三女はもう向こうに行ったよ。これは別の娘ですw」と伝えるとコーチは「え?!え?!」とテヘペロ(死語)になったのが個人的にはツボでしたwww

コーチは「段違い平行棒を棄権したので三女は0点になってしまうから、もう一度トライするかどうか?」と言って来たので、三女に直接聞いて決めて下さいと長女に通訳してもらい、結果三女は低い方の鉄棒で最後の着地だけやり直し演技終了となりました。

昨年はビギナーズラックもあってか、初めての大会にも関わらず、メダルを獲得したのですが、今回はメダルは難しいだろうなというところです。

表彰式が始まり、身長が2倍程も大きな子たちに囲まれながら三女が入場して来て、各コースの表彰式が始まりました。

表彰式が終盤に差し掛かった頃、救急車が到着し二人の屈強な大男の救急隊員がやって来ましたが、もうすぐ表彰式が終わるから待って欲しいと言うと(ワンモーメントプリーズで通じましたw)「もちろん!」と一緒に表彰式の様子を見守ることに。

その辺りは流石オランダ人、表彰される度に大きな拍手と歓声で飛び入り参加の隊員お二人が盛り上げてくれます。

やはり、残念ながら三女はメダル獲得ならず😢
表彰式が終わり、すぐさま救急車へ妻と一緒に三女が乗り込みます。

残りの娘たちと車で待機していたところ、20分程して妻から終わったと連絡が。
移動はせずその場で背骨や鎖骨のパーツを一つずつチェックしてくれたそうで、骨に異常はなく、首の左部分と胸の辺りの捻挫ということで数日安静にという診断で事なきを得ました。

三女は痛みとショックと悔しさで必死に涙を堪えていたのですが、なんと救急車の天井付近に器具と一緒にいくつかしまってあった救急車のメダルを「よくがんばったね」とプレゼントしてもらえました!

オランダの救急車は黄色です

体操では叶いませんでしたが、頑張った三女への何よりの栄光で、こういったことを常備しサラッとやってのけるオランダ文化ってやっぱり好きやな~と思った今日この頃でございます。

ちなみにオランダで救急車を呼ぶと高額自己負担という噂の真偽も確認せぬまま流れに身を任せてしまったのですが、もし後日談があれば追記致します。

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