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りばいばる#040 中古車購入①

これは2016年12月11日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

オランダに来てからは車がないのでトラム(路面電車)やバス、徒歩での移動を余儀なくされていたのですが、楽しめるのは最初のうちだけで学校の送り迎えやスーパーの大量買い出し、また子供達、特に三女・四女がぐずった時などどうしても時間を食うのと体力的にも精神的にも消耗が激しいのが悩みどころです。

買い出しは長女と次女が学校に行ってる間に近くのスーパーに三女と四女を連れて行くのですが、徒歩10分程の道のりの途中でどちらかが泣き出したり、ベビーカーから脱走したり、肩車を要求されたりで大量の食材等を買って帰って来る頃にはもうヘトヘト状態で、最初の頃はスーパーの買い出しだけで時間が過ぎて行くような感覚でした。

やはり子供が小さいうちは我が家には車が必要ということで、学校に行く途中のトラムからいつも見えていたスズキやダイハツ等のディーラーが並んでいる場所に目をつけ、途中下車して行ってみました。

妻はオートマ限定免許ですし、今更マニュアル車に乗るのも疲れるので、オートマでファミリータイプのミニバンみたいな中古車を探します。

初めに入ったディーラーに妻が英語で尋ねると「オランダでオートマの中古車を置いてる店なんてほとんどないからネットで探した方がいいよ。」との回答。

この前のレンタカーの時にも書きましたが、オランダはマニュアル車が大半でオートマ車はほとんどないのです。(全体の10%程度だとか。2016年11月現在)

「うちの店に1台だけ偶然あるよ!」みたいな奇跡を心のどこかで期待していたのですが、並びの他の店にもかなりの確率で同様の事を言われるのがオチだと思いそこはすぐ退散し、2016年11月11日(金) コーディネーターさんとデンハーグ・セントラム駅で待ち合わせをして、駅構内のカフェでパソコンを開き、中古車探しを手伝ってもらうことにしました。

日本同様、中古車探しのサイトがいくつかあり、検索の仕方を教えてもらって条件を絞り込んで行きます。

事前にネットでも情報を得ていたのですが、オランダの中古車はとにかく走行距離が半端ない!10万km越えは当たり前で20万km越えなんてのもザラです。
何でも陸続きのヨーロッパはバカンスなどに国境を越えて休暇に行く人も多く、必然的に広大な土地を走りまくることで走行距離が自然とかさむ訳ですね。

お笑い芸人・チュートリアルの徳井さんのピンキャラ”ヨギータ”の師匠の車が18万kmも走ってるというネタをヨーロッパ人に見せても「どこが面白いの?」となってしまうやん!と妻と盛り上がりました。(妻とはかなりのお笑いマニアの部分が共通点なんです。分からない方はこちらをご覧下さい。↓)

18万キロ

それとオランダは経済的思考の方が多いということから、マニュアル車もさることながら小さめの車が多いそうです。

車の造り自体がなるべく小さくを意識してなのか、日本の普通車のような後ろのトランクの部分が丸っこく、ハッチバックタイプの車が多い気がしますし、世界一背の高いオランダ人が小さい車にギュウギュウに乗っているのを時々目にします。

それと燃料ですがガソリンはガソリンスタンドで「Benzine」と表記されており、日本では「ベンジン」というと染み抜き剤などの印象が強い気がしますが、オランダではガソリンのことを指す様です。

さらに日本では大気汚染などの懸念からか激減したディーゼル車がヨーロッパではまだまだ使用されており、ディーゼル自体の料金が安い代わりに車に高い税金を課せられているそうです。

そんな中、噂ではオランダでは2030年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する大胆な法案が進行中だとか。

自動車税も日本同様高めで重量税に加え、道路税と居住地によっては地方税もかかってきます。CO2排気量によって算出するのですがこの辺りは苦手分野ですし、もう中古車を買ってからドンと来いと待つしかない状況です。

とにかく乗り潰すつもりで、オートマで6人乗れてガソリン使用で安い中古車ということで条件を絞り、検索にかけるとオートマの条件のお蔭で数はかなり少なめながらもヒット。
その中から写真と価格を基本に気になる車を見て行きます。家探しの時よりは随分楽な印象です。

個人的に車にはそんなに興味も執着もなく、動けばいいと思っている派なので、値段とある程度の見た目重視で探します。

時々気になる車を発見するも取扱い店がかなり遠方だったりで、実際観に行ったり、もし気に入った場合のやり取りのことなどを考えると交通機関などまた小旅行状態になってしまい時間がかかるのもしんどいなという感じなので、なるべく近場にも絞ります。

そんな中、デンハーグに1台、ロッテルダムに1台、気になるミニバンタイプのオートマ車を見つけたので、コーディネーターさんが電話をかけて営業時間を確認してくれ、車で2軒同行してくれるということになりました。

まずはセントラム駅から10km程度のデンハーグの1台目。
偶然にもレンタカーした時同様にオペルの2003年モデルの黒。
走行距離が20万km越えていましたがエンジンとタイヤが交換してあり、見た目も20万km走って来たようには見えないぐらいきれいだったので、結構気に入りました。そこは保留にしつつ、今度はロッテルダムの中古車屋さんへ。

目的地周辺に着いたもののしばらくオフィスがどこか彷徨ってようやく到着。しかしオフィスのカウンターには誰もおらず、僕たちの他にもう一組のお客さんらしき人たちが待っていたのでその後ろで待っていたのですが、待てど暮らせど誰も来ず。時々車両技士らしき人たちを見かけるものの、俺は別の仕事中だからみたいな態度でこちらを一瞥するも全く応対する気配を見せず。

この現象、オランダでは日常茶飯事で、お客様第一という日本の仕事の捉え方とは全く違います。
これは個人的見解ですが、お客さんを「待たせている」という概念が存在しないのだと思います。

日本ではお客さんが支払った料金が利益を生み出し、その利益がそこで働く者の収入となり食べていけるという構図だと刷り込まれている(気がする)ので、必然的にお客様は神様・・・まで行かないまでも、そこには「感謝」が存在し、そんなお客様を待たせるなんて恐れ多いという思考の流れになるのだと思うのですが、オランダでは「待たせている」という概念以外にも「待たされている」という概念も存在しない為、お客さん側も腹を立てる人もいないという相互関係が成り立っているように見受けられます。こういう話はまた別で書きたいと思います。

ようやく受付担当みたいなおじさんがやって来て、順番に対応していきますが、ネットで見た車を見せて欲しいと告げると車がひしめき合った広大なスペースの遠くの一画を指差し、「あそこの旗の所に行ってくれ」とのこと。

よく分からないまま旗を目指すとそこにはバン2台の後ろを開けて、そこにずらっと無数の車のキーを並べ番をしている男性スタッフがいて、その人にネットで見た車のデータなどを見せると、キーの束の中からその車のキーを見つけ出し、免許証と交換で渡してくれて「たぶんあの辺りにあるから探して見て来い」ということ。

ナンバーを頼りに指差された周辺をキョロキョロしながらその車を探し当て、自分でエンジンをかけ車内を確認し見定めます。
まずエンジンをかけた時点で力ないセル音とエンジンのうるさい異常音。
それに何より前の使用者がおそらく犬小屋代わりに使っていた様で車内一帯動物の毛だらけで、掃除すれば何とかなるレベルを遥かに越えていた為一発アウト。

店にもよるようですが、中古車は買い取った車を転売するだけで、壊れた部分とか内装等は次買った人がお金をかけて修繕するというのは珍しくないことのようです。その分日本の中古車よりは安い印象です。(もちろんお店にもよります。)

日本ではあり得ない状況ですが、そこは文化の違い、仕方ありません。

もう1台、似たようなタイプがあるということで、またキーを借りて見に行くも値段も高く何だかしっくり来ず。何よりもこの店で買いたくないなあと思ってしまったので、この店を出ることにしました。

夕方になり、日本の様にスムーズには行かないのは明白だったので、もう1軒目のオペルに決めて、またデン・ハーグの中古車屋さんに戻ってもらいそのまま購入することにしました。

オペル・ザ・フィーラ、2003年モデルの黒の最大7人乗りでオートマ車。タイヤは新品。値段は税込み2,950ユーロ。日本円で約35万4千円(レート:1ユーロ=120円の場合)。

現金を持ち歩いていたのでその場で全て支払って決済終了。

走行距離が20万km越えていますが見た目も良く、エンジン音も静かです。車検も1年付けてくれて(2005年以前に登録の車は初回の車検以降は毎年車検だそうです。)結構良い買い物が出来たんじゃないかと自負しておりました。

週明け月曜には車検を終わらせておくということで、こちらも納車に向けて諸々の準備に取りかかります。

しかし、安物買いの銭失い、やはり事件は起きてしまったのです!

つづく・・・

今見ても”ヨギータ”面白いですw
現在のメイン車両は数々のメンテナンスを繰り返して、既に29万キロを越えてしまっております。

オランダサポート_20201128

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