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りばいばる#009 カラオケ喫茶①

これは2016年8月22日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

三女が生まれた頃、大阪での会社員時代にお世話になった音楽系制作会社の社長さんからとある案件を頂きました。

それは、カラオケ喫茶にプロの歌手のキャンペーンを売り込むという仕事でした。

聞いた時から???という感じでした。
まず、カラオケ喫茶ですが、世代的に完全にカラオケボックス世代で、高校時代に部活の先輩に連れられて行ったのが最初で、初めてのカラオケボックスは1曲100円を機械に入れていくというタイプでした。

それからは言わずと知れた空前のカラオケブームがやってきて、一気に日本の娯楽の頂点に昇り詰めていったように思います。
僕も例外なくカラオケにハマり、バイト仲間と夜な夜なカラオケへと繰り出し、しまいにはカラオケ屋さんでアルバイトまでしていた時期もありました。

そんなカラオケボックス以外に、カラオケ喫茶や歌声喫茶という形態も存在し、昼間、お茶や軽食を食べながら歌うという喫茶店+カラオケという形態で、カラオケが普及し始めた頃、年齢層が少し高めの方向けに普及したものでした。

カラオケボックスと明らかに違う点は見ず知らずの方の前で歌を歌い、その場にいるお客さん同士でそれを共有するという点です。

世代的に全く知らない人の前で自分の歌を披露するということに相当違和感を覚えてしまうので行ったことはありませんでしたが、一定の世代には爆発的に流行した娯楽だったようです。

夜のスナックが、昼間の空いている時間にカラオケ喫茶として営業し始めたというクローズタイムを有効利用したビジネスだったという側面もある様です。

料金体系は大きく2通りで、1曲100円程度のチケットを10枚+1〜2枚、一綴り1000円で購入し、そのチケットを使って歌って行く(ドリンク代は別)タイプと、セット料金1000円〜1500円+1ドリンク付きで歌い放題というような形が主流です。

このカラオケ喫茶にメジャーレコード会社からCDを発売しているプロの歌手を呼ぶので、お店にお客さんを集めて下さいという、いわゆるキャンペーンと呼ばれる営業を取り付けるのです。

ビジネスの内容としては、その歌手を呼ぶのにいくらかかります、お店がそれでOKで、実際に呼ぶ日時を決め、お店は常連さんに声をかけその歌手のキャンペーンの観覧料としてお茶付きでいくらといってお金を集めて観覧料×人数−歌手のギャラがお店の売上になるというシステムでした。

1本決まれば歌手のギャラの何%かを手数料として受け取るという、いわゆる営業委託仲介業です。

芸能界でも歌手がいて、マネージメント事務所があって、営業委託仲介会社があって、その先にクライアントがいて、それがいわゆる”営業”と呼ばれる仕事です。

クライアントが反社(反社会的勢力)の団体だったりして、マネージメント事務所や営業委託仲介会社を通さず、歌手や芸人さんが直接やり取りをして問題になったのが"闇営業"というヤツですw

ただ、その歌手の資料を渡されても、全く聞いたことも見たこともない名前と顔で、これを売って回れと言われてもと正直戸惑いましたが、何もない自分はとにかくやってみるしかありませんでした。

まずカラオケ喫茶をネット検索するといくつかのお店の情報が出てきます。もぐっていくと誰が調べて作ったのか、全国のカラオケ喫茶一覧みたいなサイトも存在していて、そこで驚愕の事実を発見!

そのサイトには日本全国約2000軒に及ぶお店の情報が載っていたのですが、その半分約1000軒が何と大阪府内に存在していたのです!
大阪はその土地柄なのか、カラオケ喫茶のメッカだったのでした。

そのサイトで得たカラオケ喫茶の住所を地域別にリスト作成して移動パン屋さんとカラオケ喫茶営業という二足のわらじが始まりました。

おっかなびっくりでカラオケ喫茶のお店のドアを開いて飛び込んで行き、歌手の資料を見せながら、ママまたはマスターに「〇〇という歌手をいくらで呼びませんか?」と言って回りました。

驚くことに、僕が全く聞いたことのない歌手名や曲名は、カラオケ喫茶の世界ではほぼ9割方認知されていたのです。
まだまだ自分の知らない世界は存在すると実感しながら、次第に営業の要領を得ていきます。

だいたいのお店が、昼の部13:00〜17:00、夜の部19:00〜23:00というのが主流で、定休日が1日という感じでした。
お客さんが歌っている時は、店内にカラオケが流れている為、話し辛いのと、人が歌っている最中にズカズカと入っていってママに話しかけるというのも失礼なので、狙い目は開店直後か閉店間際でした。

当然ながらいきなり行ってその場で交渉成立というようなことはなかなかありませんでした。1回飛び込んでママ、マスターの反応が悪くないお店を絞って再度トライし、1ヶ月平均7〜8本のキャンペーンを組むことが出来ました。

その歌手の方が久しぶりにリリースした曲がカラオケ喫茶業界でそこそこ話題になっていて、お客さんがその曲をよく歌っていたというのも追い風になりました。

このキャンペーン営業を回っているライバルがいないのではないか?この仕事を派生させていければ、食べていけるのではないか?と考えるようになり、苦痛だった移動パン屋さんはスパっと撤退することにしました。

つづく・・・

芸能マネージャー時代の経験から、割とすんなり要領を得ることが出来ました。
とにかく給料を貰うということがなくなり、自分で仕事を生み出し、稼がなければいけなくなり崖っぷちでしたが、自分のがんばりがそのまま反映する個人事業主は自分が求めていた働き方でもありました。

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