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室内は土足厳禁?@デンマーク

西洋では室内に入っても靴を履いたまま、というイメージを持っていました。しかしデンマークにおいてはちょっと違いました。

一緒にデンマーク語を学ぶクラスメート(お家はデンマークスタイル)にお邪魔した時、室内に入ったらまず靴を脱いでスリッパに履き替えることを勧められました。靴を脱ぐと日本人としては慣れ親しんだ感じがしてリラックスしました。

学内の寮でも、外から寮に入るところで私は靴を脱いでスリッパに履き替えていました。廊下から自室までと自室はスリッパ(日本でいう上履き?)で過ごします。最初は土足で廊下を歩いていたのですが「靴が泥などで汚いときは脱ごう、掃除が大変だから」という話がハウスミーティングで行われたからです。上記の写真にある廊下なのですが、ここは「室内」という認識なのかな?といったん理解しました。外部の人でスリッパを持ってきていない人が廊下まで上がるときは靴を脱いで靴下で歩き回っていました。

ちなみにハウスミーティングとは、同じ寮で暮らす人と先生とが週に1回集まって話し合いをする時間です。

では室内では一律に靴を脱ぐのか?というとそうでもないところがややこしいです。例えば土足OKの教室で学んでいたときに、授業中に先生から言われて机の上にのぼることに… 当然靴は脱ぐものと思ったのですが、「靴は履いたままでいいから!」と言われました。
不思議に思って他のデンマーク人の先生にも聞きましたが、「机の上には靴であがる」とのこと。例えば蛍光灯を取り換える時とか。笑いながら「理由はわからないけど」と。

「土足OK」のこの教室ですが毎週金曜日に生徒が交代で掃除をすることになっていました。日本人の私は靴を履いたまま掃除を始めますが、デンマーク人は靴を脱いで掃除を開始しました。「これからきれいにするところなので汚い靴は脱いだほうがいい」という判断だそうです。

どうやら「室内だから靴を脱ぐ」とか、「ここは清潔なエリアだから靴を脱ぐ」という一律のルールではないようです。その時の判断で決めている感じ。そして「あなたも脱ぐべき」みたいなことはあまり言われずに個人の判断に任されているのでした。なんか曖昧でモヤッとします。

「日本人は意見をはっきり言わない」「日本語自体が曖昧だ」ということでちょっと恥ずかしい文化だと思っていました。でもデンマークにも曖昧さはあり、その曖昧さはお互いの信頼から来ているもののようです。文化によって曖昧の使い方も違うのか?

デンマークでは信頼の中で人と付き合うので、「あの人はルールを守らない」→「悪い人だ」みたいな思考になりにくいのかもしれません。ルールよりもそれぞれの意見や感覚を尊重する。そのことによりルールで縛っている時よりも自分も自由に行動できるし、他人に鷹揚になれる気がします。排除されるかもしれない恐怖、知らぬ間に誰かを排除してしまう思考からも自由になれます。

優れた社会保障制度や民主主義はこの「信頼」があるからこそ。デンマークは小さな国だから信頼をベースに社会を作ることができるのでしょうか?日本は人口が多いから無理、と言ってしまうのは残念。

日本でも必要となっている多様性を受け入れ活用していく行動様式。「信頼」と「曖昧さ」はダイバーシティマネジメントやイノベーションとも関係性がありそうな。

単純に監視し合うんじゃなく、許し合う社会って素敵だなと思いました。

#デンマーク #土足厳禁 #信頼 #曖昧さ #ルール #誰も取り残さない

1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪