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しごとをすることをするためのこと

毎月第一・第三木曜はたべるばnoteの日!
今週も、どうぞよろしくお願い致します。
通常ですと、第三週は主にスタッフのインタビューやアンケート、メッセージを紹介しているのですが、今回は少々趣向を変えて「就労支援・就労トレーニング」についてお話しさせて頂きたく!お付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、この連載に目を通して下さっている皆さまの中に就労経験のある方はどれくらいいますか?丁稚は司書として長年図書館勤務をしてきたのですが、実は学生時代のアルバイトも母校の図書館だったため、図書館以外での就労経験は3年ほどIT系のOLをした程度です。図書館での就労経験では、公共図書館から大学・高校・中学・小学校の学校図書館、なんなら図書館の引っ越し作業を3回も経験し、システム入れ替えも経験済みという割とどこの図書館でも即戦力ドンと来い!一方、飲食や小売りの経験は全くのゼロです。ゆえに、友だちのやっているお店をちょっと手伝う、というようなことは全くできません。(お皿洗いくらいなら出来る…かな?)読者の皆様の中には、コンビニも飲食もお任せあれ!の方や、ガソリン入れることと洗車、仕上げ磨きに関しては一流だけどレジ打てない!という方や、まだ学生でアルバイトしたことない、または、家庭の中で忙しくされていて、所謂賃金労働はしたことが無い(とはいえ家の事を回すってすごく大変なことだと思います!)という方まで様々いらっしゃるかと思います。そこで、ちょっとだけ想像して頂きたいのですが、もし、あなたが今全く新しい業種にデビューするとしたら、あるいは、就労デビューするとしたら、如何でしょうか?どう?なんとかうまくできそう?もしくは、ちょっと嫌だと思う?

働くことは楽しくて学びが多いこと。一方で、「社会」という枠組みの中で様々な「ことばでは示されていなくても、当たり前のようにそこにあるルール」が幅を利かせる世界でもあります。この、「当たり前のようにそこにあるルール」を上手に読み解いていくことが、働く中では重要視されがちですが、さて、皆さんはそれらをどこで学びましたか?
ちなみに丁稚は図書館に関しては物理(これまでの読書量と体力)で初動を乗り切りましたが、IT系OL時代は死ぬほどポンコツで内線表の見方、役職の読み方や偉さの順、電話の取り方、メールの書き方、名刺交換まで、ぜんぶ上司がイチから仕込んでくれました(笑)幸いにも論文データベースを作る仕事だったので「書誌のことならわかる」というだけで居させてもらっていたような感じです。
閑話休題
「解っていて当然」がまかり通る「就労」という場面で、「当然が解らない」場合、最終的に頼るのは己のコミュニケーション力と「周りをみる力」になるかと思います。そしてこの二つは苦手な人は本当に苦手。すごく疲れてしまうし、具合だって悪くなってしまう。それでも自分なりにベストを尽くすべく頑張って、でも失敗して怒られて、そうなるとちょっともう、働きたくない、もしくは、働くのは自分には無理かもしれない、となってしまうのも理解できるかと思います。
本当はその場に先に居た人が、ちょっと目をかけて、声をかけてあげる、ルールを可視化して、必要に応じて確認ができるようにする、イレギュラーがある場合にはきちんと目に見える形で共有する、そういった基礎的なことで乗り越えることが可能な場合も多いのですが、なぜか対応していない(もらえない)ことが結構ある。そうなると、するべくしてした失敗もシステムとしての失敗ではなく、個人の失敗になってしまい、失敗した(とされてしまった)個人は自己肯定感が下がり、働くこと自体への苦手意識に繋がってしまいます。
なんかもったいないなって、丁稚は思います。
どこかの時点で「働きたいな」と思ったのであれば、何かしら活躍できるはずだし、絶対ある「得意」を活かせるはずだし、活かして欲しい。何より、システムの問題なのに自分の失敗として自己肯定感を下げてしまうのは理不尽だと思うのです。

「就労支援」と聞くと、例えばPCの使い方や各種資格取得に目が行きがちですが、就労のスタートとして、解らないことを安心して聞ける場所、「不文律」や「空気を読む」で示されがちな「働く」に際して生じる諸々を自分のペースで理解していくことが担保される場所を作ることは社会としても非常に意味があることだと考えています。

たべるばは今年設立5年を迎えます。
子ども食堂として、利用者である子どもたちが社会に巣立つための手伝いをどうしていくかを考えるフェーズに入りつつあります。
同時に、そのことは「社会」を運営するわたしたち一人ひとりが、元新人としてきちんと考え向き合っていく必要があります。
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