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「他人の家の片付け」が教科書通りのこじれ方をした件

どうも。整理収納アドバイザーをしているみつばちまぁやと申します。
こんな仕事をしているので、人よりは少しだけ「片付け」に詳しいと自負しています。関連書籍なんかも沢山読んでますし、いろんなご家庭での「お片付け」を経験しています。

そういう業界には、「片付けしてると間違いなくこんなことが起きる」とでもいうような、まるで教科書のような書籍がたくさん出回っているのですが、今回、身内の片付けをしていると、まぁ見事にその教科書通りのこじれ方をしました。笑えるくらい「教科書に書いてあったわー」「進研ゼミで習ったわー」というレベル。

というわけで、前回の続きをつらつら書いてみたいと思います。

■「金目のものはないから全部捨てて!」と言っていた人に限って「アレもコレも必要、捨てないで」と言ってくる

散らかっている家の人に「元気なうちにお片付けをしませんか?」と提案すると、「金目のモノなんか何もないから、私が死んだら全部捨てて!」と返されることが多いです。
この「全部捨てていい」というセリフ、なんだか「モノに執着してない私ってばカッコイイ!」とでも思っているかのようですが。
だとしたら大間違いだし、そういう人に限っていざ自分の身に何か起きるとうろたえて「あれもいる、これもいる」って言い出すものです。
というかまさしく今回がそうでした。
皆様も「俺が死んだら全部捨てていい」って口から出てしまったら、ちょっと気にしてみてください。きっと何かあった時、みっともないほどうろたえて「あれもいる、これもいる」って言うと思います。

■周囲の人間は「完璧に片付けをしなければならない」と思いがち

これは片付ける側の意識の話。
今回、身内A氏の片付けをなぜか遠縁の我々夫婦が請け負ったのですが(しかも無料で…)
責任感の強い私の主人が「完璧に片付けてあげなければ!」と意気込み過ぎてダウンしかけてました。
良い人ほど割に合わないのが「他人の家の片付け」です。

人様の家を片付けるにあたって、残念ながら完璧を目指してはいけないのです。
仕事としてお金をもらっている人は別ですが、善意で身内の家の片付けを素人が行う場合、100%を目指すと大変なことになります。
ましてや「新しい家電は売却して、使えるものは他の親戚に譲って、思い出の品は全てきれいに保管して…」などとやっていると間違いなく詰みます。

施設入居が決まっていたり、居住地を期限までに引き上げなければならない場合などは、「必要最低限のモノだけ持っていく」ことしかできません。
それ以外のモノは、残念ながら廃棄です。

「そんなもったいないことをしろというのか!」というお叱りが聞こえてきそうですが、そうならないためにはどうするか、というと、ご本人様が日頃から片付けておくしかないんですよね…。

■自分たちでチェックし終えてから業者を呼ぼうとしていた

これもまたやりがちなミスですが、
片付け初心者の主人、「まずは自分たちで全部の持ち物をチェックし終えてから業者に電話をしよう!」と言っており、愕然。
「ちゃうわー! まず最初に業者を呼べぇぇぇ!!」
と私が業者(大型家具の処分なども一手に引き受けてくれる業者)を先に呼び、見積もり、日程の打ち合わせなどをしました。

他人の家の片付けにはある程度の諦めが必要です。
100%を求めるあまり、自分の仕事が立ち行かなくなったり、自分の身体を壊してしまったら意味がありません。(主人、すでにこの片付けのために自分の仕事を何度か休んでいるほど…)
業者さんを頼りつつ、出来る範囲で片づけを手伝うようにしましょうね。
ほんとに、片付けは重労働…と言うか、すでに苦行ですから…!

■一度チェックしたところを再度チェックしようとする

これまた、教科書通りでびっくりしたんですけど…
なんと、タンスの裏側から、1万円札が1枚、見つかったんです…
(もちろんA氏にお渡しする荷物に入れました)

それを見た瞬間、「まだお金が落ちてるかもしれない! 今までチェックしたところをもう一度チェックし直そう!」と主人が言い出しまして。
「きちんとチェックしてます! 時間もないのに再チェックしてる暇なんてあるか!」と喧嘩になったわけなんですけど(笑)
なので、一度チェックしたところには札を張り「ここはチェック済み!二度と開けない!」というルールで進めます。そうしないと、延々とチェック→再チェック→再々チェック…てなりますのでね。

■片付けの最中にやってきて場を搔き乱すだけの人がいる(手伝いはしない)

片付けをしていると(遺品整理の現場などは特に!)赤の他人が乱入してきて場を荒らしていく、というのも教科書でよく見かける話。
今回は遺品整理ではないので、その心配はないかな…と思っていたのですが、まさかまさか。
なんと。片付けている最中に何度もお隣さんがやってきて、「こうしたほうがいい」「Aさんにはこれは不要」と、知った風に場を荒らすだけ荒らしていきました。

更には、A氏にはちゃんと直接の身内が居るのですが、ただの一度も手伝いに来ませんでした。
それが…最終日にだけやってきて…「あれがほしい」「これはどうするの」「なんでこんなことしたの」と難癖をつけてきましたああああああああああやっぱり!!!!!!!!!!
(そうなると予想できていたから、この片付けを引き受けるのが嫌だったのです…)

手伝わない人に限って口だけ出してくる(そして作業を邪魔する)…
この世の縮図みたいなことが、片付け現場では起こるんですね。

■身内の片付け、絶対揉めるから業者入れてさくさく進めような!?

親や身内の家一軒を丸ごと片付けた経験がある人はほとんどいないでしょう。ですが、そんなミッションがある日唐突に我が身に降りかかって来ることがあります。
そんな時、人は何をしていいか分からず、無駄に頑張りすぎて潰れていくに違いないので。
こういう場合、まず真っ先に業者に相談してみてください。専門家はやっぱり心強いです。

今回のケースでは、地元に詳しい業者さんと連絡を取り、様々なアドバイスを頂けました。何より心強かったのは、「誰かに任せられる」という心理面でのサポート。本当に助かりました。
(かなり特殊で古い団地だったため、地元密着型の業者さんのアドバイスが不可欠でした!)

これは私自身の仕事にも言えることで、「精神的な支えがある」「頼れる人がいる」というのは仕事の上で何より大事なことなんですよね。

遺品整理や生前整理を専門にしている業者さんも増えました。ネット検索で簡単に検索できる世の中になったので、気軽に頼るようにして下さいね。

他人の家の片付けは、自分1人で何とかなるようなものではありません!



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