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“そこに乗っている感情が好き”


文章って不思議だ。

たった一節に 心が揺さぶられて 切なくなって涙が出てくることがある。

ただの文字羅列にどうしてそんな力があるのか 昔は不思議だった。

共感によって出る涙もあるけれど

私が感じたものではない感情に

私が経験したものではない感情に

胸がいっぱいになって泣けてしまうことが不思議だった

特に強く感じて 涙が出てくるのは

“愛しい”という感情

でもそれは 今ではなんとなくわかって

私たちは元は みんなひとつだから

あなたの感じたことは私の感じたことでもあって

私の感じたことはあなたの感じたことでもある

あなたが誰かを想って綴った感情が

私に愛を感じさせてくれる

あなたが辛さを吐き出して綴った感情が

私に切なさを感じさせてくれる

あなたが誰かを愛せなくて綴った感情が

私に苦しさを感じさせてくれてくれる

あなたが嬉しくて綴った感情が

私にあたたかさを感じさせてくれる

どれが良いとか 悪いとかはなくて

切なさも苦しさも 愛おしい感情のひとつ


誰かが何かを感じて それを文字にして

そこに乗せられている感情を感じるのが好きだ

それがどんなものであっても

私たちが感じて 私たちから溢れたもののひとつ


人の感情なんて わかりっこないのに

それが一番 鮮明に映し出されるのがきっと文字だ

だから文章が好きで 感情が好きだ


私も文章を書くことが好きだ

それをなんとなく思い出して 認めた

自分の書いた文章が 感情が愛しかった

それが苦しさや悲しみでも


でも 自分の一番深いところともいえる感情を

人に見られるのは恥ずかしかった

自分を知られるのも 

下手だと思われるのも


一番深いところを避けて 

人前に用意した言葉は 書いていても 読み返してみても

あまりおもしろさを感じなかった

愛しく感じなかった

それは本当の文章、感情ではなかった

もう一度、自分が好きだと思える文章を書いてみたい

繰り返し読んだ時に その時の自分の感情を愛しいなって感じられるように

誰かのありのままの真っ直ぐな感情を

愛しいなって感じられるように

お読みくださりありがとうございました💐