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Labの男20

 Labの男20

たまに授業を脱線させる生徒が居たな。
その場合だと、生徒が先生の興味を
あらかじめ知っていて
そっちの方に話を誘導する感じなんだけど
ちょっと似ているなぁ〜と思いつつ
割って入る玄白
 「宴もたけなわでございますが
  そろそろマコ先生っ講義の方にね」

マイッチingマコ
 「あぁっごめんなさい。あらためまして!
  牧村 眞子です。よろしく。」

またムネをおさえてしゃべっている。
万次郎は無意識のマイッチingをよそに
講義を聴こうと集中する。

 えへんっ!仕切り直してマコ先生
  「言語は
   一時的には音声
   二時的には文字を用いて
   意味 内容 を伝達する仕組み」

この全過程を分解して解説すると
まず
 1   話し相手の頭の中に相手に伝えたい
       意味内容が、思い浮かべられ

 2   それが適当な言語表現に変換され

 3   次に発音器官を動かして音声として
   空中に放出

 4   音声は振動波として聞き手の耳に達し

 5   脳内、言語中枢で分析され

 6   元の言語表現が復元される。

コレをほんの数秒でやってのけている。

 「スゴくない⁈だからなんのストレス無く
  日常生活を送っているだけで天才なのよ!」

聞き手は同時に視覚を通じて得られる
話し手の表情 身振り 周囲の状態
双方が共有していると考えられる『言語宇宙』
についての知識を考慮に入れて
話し手が伝えようと意図したと考えられる
意味 内容 を推定によって解釈する。

 「そう考えると誤解は免れないよね。
  だってどんだけ中継をかましてんだって話ね」

 「だから、今後は他者に
  少しやさしくなれるかも知れない」

もうすでにややこしくなってるから
以上の伝達行動のそれぞれの過程について
専門分野を立てることになりました。
最初に頭に浮かんだ意味内容を
言語表現に変換する【encode】エンコード
過程は非常にむずかしく現在のところ
推測以上の事はわかっていない。

 「クリスタルマンのおかげで少しずつ
  わかってきてるんだけどね。
  まだまだカタチには出来てないのよ」

発音器官をどう動かせば
どういう音声が出るのか分野から
音声が空中を伝わる部分のみを分析する分野
耳が受けた空気振動をどのように分解し
言語として復元するのかの研究分野は
ほとんど未発達
聞き手がとらえた言語表現から意味を解釈する
【decode】ディコード
過程は言語表現を行う場合にも関係している為
表現と解釈をこえて
ニンゲン脳裏に蓄えている言語知識としてみる。
すると、言語能力と伝達能力に分かれる。
言語能力はさらに
 語彙能力と文法能力に分かれ
意味であったり 文法であったり
語としての論から 文章としての論と
細分化
とんでもないことになってゆく。
で、やっとのことで、伝達能力に到達。
具体的な言語使用場面において
言語を社会的に適切に用いる能力のこと
私の分野である伝達の民族学
おおむね
伝達行動を大きく 社会 文化 の中に
位置づけて研究する。

 「オトコが響きそうな例えをするなら……
  会話をするだけで能力バトルを繰り広げてる
  って言ってもなんの支障もないくらい
  凄まじい高等テクニック合戦よね」

 「技を繰り出すまでがノーモーション
  受けた側も
  凄まじい技で返していてもノーモーション
  実際、頭の中で詠唱して魔法を
  かけ合ってると言ってもおかしくないくらい
  互いにスゴイことをしているんだけど
  なんとも思わないで日々暮らしている」

 「そう考えると感動しない⁈」

思ってもない角度から振り下ろされる
パンチを喰らったような感覚に
万次郎は段々と興奮してきているみたいだ。

 「下地はこれくらいにして
 基本的に語彙力があると
 理解にむずかしい事をかろうじて
 ファイルには分類しやすくなる」

 「これが大味な言葉ばかりでファイリング
  しちゃうと、分析が大味になりやすくなる。
  劣悪な環境で育った言葉は
  その人の育ちも悪くする感じね。
  大味、大枠、大雑把だから
  頭の中で分解するのも雑になる。
  もしくは誤解を生みやすくなる。
  推測の精度が下がるってことね」

 「的確な偏見の無いコトバで当てはめる
  クセをつけるのをオススメするわ。
  どこかからの借り物の言葉よりも
  自分の言葉だと尚のこといい」

 「なんで今更な事をいうのか?
  それは、頭の中のひとり喋りが
  さらに加速しだす事が
  予想されるからなのよ」

 「今まで切り離してきた能力が一気に活性化
  するだろうからね。
  人間社会じゃ〜 過剰だ 役に立たない
  って判断した能力類もろもろ」

 「結局のところ手なずけるしか無いのよね。
  基本的には1つずつ潰していくしかない。
  近道はなくて遠回りが1番の近道」

 「コレばっかりは、個体差がモロに出る所だから
  自分で見つけるしか無いわね。
  大体の人が口をそろえて言うのは
  瞑想がいいってさ」

 「今は何かに集中しているから
  大丈夫なんだけど
  自分でも持て余すくらい
  うるさくなるから予防線をこの講義で
  実験後の傾向と対策が私の役目」

さらに頭の中がスパークするそうだ。
参ったね。情報がはち切れそうだ。

 「貴方もう点眼薬は使ってるんでしょ?
  女にはなぜかそれほど効果が出ないのよ。
  もしオンナのクリスタルマンが出てきたら
  効くかもしれないけど………
  だいたいの女は物事を
  役に立つか?立たないか?           
  もしくは 敵か?味方か?で判断する。
  それはネイチャー
  根っこからの本質で
  環境と共存しようとするから。
  目立つことは環境では得策では無い」

 「オトコは本質的に他よりも優れていることを
  望む生き物。だから突出したことに
  興味がいくようにできてる。
  それは本能的に突き詰める事が得意だってこと
  オンナはそれを利用するようにできてる。
  だから結晶化するほどのバカでいられるのは
  能力でありオトコである事が多くなる」

 「オンナだとそこまで突き詰めるまでに
  現実にどうなんだと確認をしてしまう。
  性的本質でハナから勝負はしない。
  バクチクは打たないんだよね
  勝てる勝負でないとね。
  冷めてるんだよ元々」

 「だからオトコに憧れるんだよね。
  そこまでぶっ飛んだ事やってのけちゃう
  バカさ加減がさ。もちろん、褒めてるんだよ」

 「オトコはそれをロマンって言葉で
  片付けちゃうんだなぁ〜っ」

おっとこの発言は引っかかるなぁ。
この台詞はオトコ全般の事を言ってるよりも
一個人のオスを指して言ているな
って邪推する万次郎
そして多感になっている万次郎の感覚は
おそらく正解だろう。

 「それで実践編ね。呼吸法の話。
  唯一人体で意識的にアプローチできる
  臓器が肺です。良質な発想は良質な呼吸から。
  出来れば全て鼻呼吸でするといいんだけど
  万次郎は初心者だから可能な限り
  いつ何時でも呼気と吸気の吐き出す方ね
  呼気の時間をできるだけ長く吐き出す
  クセをつけましょう」

 「人間は集中したり緊張すると息が止まってたり
  過剰に吸い込んでたりするから
  あせったりする時は特にゆっくりと
  息を吐きだすのを心がける」

 「10  のうち 2  吸って 8  息を吐く
  少し口をすぼめて吐くと長く吐けるようになる
  呼気に意識を持っていって吐けるだけ
  吐ききったら自然と息、吸ってるから
  そんな感じね」

 「コレは末那識【マナシキ】
  に引っ張られないように
  エゴにひっぱられて暴走しないように。
  阿頼耶識【アラヤシキ】にアクセスしやすく
  するためね。リラックスがkey Pointとなる。
  意識の力でなんとかしょうと
  強引にねじ伏せるんじゃなく、すでに
  パーフェクトな無意識に身をゆだねる訓練」

 「トリガーになるのは末那識なんだけど
  増幅するのは阿頼耶識で
  メインエンジンも阿頼耶識。
  現代人は全てを末那識で済まそうとしていて
  大いなる阿頼耶識へのアクセス方法
  忘れちゃってるのよね」

 「自身の都合を考えることが増えちゃった
  って事よね」

 「エゴは心の様々なパートを引き上げること
  チカラ添えすることもできるんだけど
  何の根拠もない不安にも働きかける。
  日常生活なら気がかりな事に
  特に嫌ごとにフォーカスが行きやすくなる。
  底上げることは出来ても
  余計なのもパワーアップしちゃう」

 「ヒトは社会慣れするとまず疑うことを
  学ぶんだけど
  意識をひらいて自身に身をゆだねる事が
  いつの間にかヘタになる。
  子どもの頃は自然としてた事なんだけど
  苦い経験が手伝って
  大人になるにつれて信用できなくなる。
  裏切られた時の防衛反応なんだけど」

 「ここで提案!もう比べるのもやめて
  せめて自分だけでも
  信用してあげてもいいんじゃない?
  って思うわけね」

 「繰り返しゆっくり呼吸を展開し
  イメージは身体に耳を傾けるってな具合。
  カラダが脈打っているのを感じたり
  そのリズムに身を任せたりと
  瞑想とかはこんな感じね」

 「すると1人しゃべりは、おさまるはずよ。
  エゴまみれなのよ人間って。
  とは言っても
  エゴは生命の原動力でもあるからね」

現代人は 脱力 と 考えない を
忘れちゃったのよ。
本当!マイッチingね。

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