ゆとり世代なのに、ゆとりが無かった小中学校時代

ゆとり教育は、私が公立小学校に通っている最中に始まった。
ゆとり世代に当てはまるのだが、小中学校の頃を振り返ると、ゆとりが少なかった。
親がゆとり教育に危機感を覚えて、中学受験をさせられて、私立中学校に通わされたからだ。

小学5年生からは中学受験の学習塾に通わされた。
中学受験するには、始めるのが遅かったので、塾に通いたての頃は、皆が既に習っている内容を一気に詰め込まれた。
泣きながら宿題を進めて、皆に追いつこうとしていた記憶がある。
塾が嫌だったが、勉強以外の体育や図工が出来ないから、塾へ行きたくないとは言えなかった。

塾には、小5のときは週3〜4、小6のときは週5のペースで通っていた。
放課後や休日に、勉強すること自体辛いが
中学受験だから、勉強する内容が難しいのも辛かった。
公立小学校の教科書の範囲は逸脱していた。
算数で、つるかめ算やニュートン算を習った記憶がある。

そして、小学生にして初めて、偏差値で自分を評価される経験をする。
模試では、自分の偏差値を見て一喜一憂していた。
中学受験する人の中での偏差値だから、高い数字は出づらいのだが、偏差値が低くて(50に届かない)、自分は勉強も出来ないと否定された感じがした。
自分の存在価値など無いと思わされた。

勉強も偏差値も嫌だったが、勉強するしかなかったから、必死で勉強して、受験に臨んだ。
第一志望、第二志望の学校は落ちて、滑り止めの学校しか受からなかった。

その滑り止めの学校に入学したが、大学進学の実績を伸ばすのに必死な学校のため、とにかく勉強させられた。(いわゆる自称進学校)

もちろん土曜日は授業有り。
数学は、中2までに中学の全内容を終わらせる。
英語は、中3前期までに中学の全内容を終わらせる。
放課後講習や長期休暇中の講習も有り。
7クラス中、1クラスは特進クラス、残り6つは普通クラス。
数学と英語は習熟度別クラス。
定期テストの結果貼り出し(上位30~40位まで)有り。

勉強も嫌だが、それ以上に成績によるクラス分けや
テスト結果の貼り出しが嫌だった。
私は何とか、中2から特進クラスに入れて、張り出しで名前が載ることもあったが、勉強の出来が重視される環境がとにかく苦痛だった。

結果、付属の高校には内部進学せず、高校受験して、自分にとって空気の合う学校へ進学する。

自分の小学校高学年や中学生時代を振り返ると、ゆとり教育とは程遠い生活を送っていた。
下手すると、そこらの40代・50代よりも、詰め込み教育や偏差値教育の洗礼を受けているかもしれない。

ただ、ゆとり世代というだけで、上の世代から、「勉強内容が少ない。競争経験が少ない。」と評価される場面が多い。
ネガティブな評価を自分の中で否定できるから、今から思えば
ゆとりが少ない子ども時代を過ごして良かった。

中学受験をさせてもらって、本当に良かった。



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