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インコふんじゃった。

私が小学1年生の時、二個上の姉が、飼っていたインコを踏んだ。
そりゃあインコの何十倍の体重が一度に体に降りかかってきたわけだから、なんか羽がおかしくなってしまった。

そのとき父は、ある書物の部分を指示して、こうこうこのようにして祈れば治る、と私たちに祈るように指示した。幼かった私は、ふへぇーそうなんだ。と思って、手を合わせて必死に祈った。
’’神様、キーちゃんの羽を治してください’’

父はスピリチュアルにはまっていた。

父は、定職に就かず、スピリチュアルの研究に没頭し、ほぼ母の収入で私たちは暮らしていた。母も母で、献金をするのでお金の余裕がない。
貧乏神にとりつかれていた。

CMで流れてくるどこかの国の水も飲めない子よりは全然マシ。今死んでいく子たちに比べたら、私たちは恵まれている。

そう思いたかったけど、全然そう思えなかった。
どこか遠い話のようで、うちは今、目の前のことで精いっぱいで、アフリカの子供たちと比べてどうするんだ・・!と子供ながらにムカついていた。
快適などこかへ逃げ出したかった。

祈りが届いたのか、いつのまにかキーちゃんの羽は治っていた。
でも何となく、私たちの祈りのおかげではないことは分かっていた。

父はわざとらしく、私ちゃんの祈りでキーちゃんが治ったねと言ってきて、私はバカみたいに、そうかもと答えた。





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