【創作大賞2024恋愛小説部門】教師「5」
その日、講義を終えて修学館に向かうと、咲希子は宗司を探した。昨日借りたハンカチを洗濯したので返したかったのだ。宗司の姿がなかったので谷口さんに訊くと、仮眠室にいると教えてくれた。修学館の奥にある仮眠室に向かうと、咲希子は扉の前で立ち止まった。眠っている相手を起こしていいのか、勝手に寝顔を見ていいのかと悩んだが、部屋の中からうめき声が聞こえてきて、咲希子は思わず扉を開けた。仮眠室にあるふたつのベッドのうちのひとつで宗司が眠っていた。苦しげな声をあげながらうなされている。宗司に