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なぜか「二重否定」に奥ゆかしさを感じてしまう件

チェック依頼された原稿に「換気できない場所では開栓しないでください。」と書いてありました。

もちろん、
「換気できない場所では開栓しないでください。」
  ↓
「換気できる場所で開栓してください。」
と、赤を入れさせていただきました。笑

いわゆる二重否定というやつですね。

注意喚起の記載なので「~しないでください」と書いてしまいがちですが、マニュアルには御法度な表現です。

ただ、マニュアル以外の場面では、よく目に(耳に)するのではないでしょうか?

たとえば、こんな風に言うこと、聞くことはありませんか?

できないことはない(と思います)

マニュアル的には「できる」「できます」と言い切るべきところですが、ことはそう単純ではないようです。

100%できる!とは言い切れない、でもできるよ、もちろんできるけど言い切りたくないよ…
といった「揺れる思い」が言外から伝わってきませんか?

課長A:この案件のリーダー、誰かできるのは居ないのか?
主任B:はい、できないことはないです。

まさに言い切りたくないパターン、日本人らしいというか、自信の無さではなくて奥ゆかしさを感じてしまいます(外資系企業ではバッサリ切り捨てられそうですが)。

昨今のZ世代には、こうした婉曲表現は通用しないかも?と思いつつ、ついつい使ってしまう二重否定…

先日もこんなやりとりがありました。

先輩C:今日、少し残業できるかな?
後輩D:はい、できないこともないです。

ははーん、こいつ恩を売ろうとしているのか?何か見返り期待してのことか?と、「は」が「も」になると、奥ゆかしさは影を潜めて、少しばかり受け取り方も変わってきます。

やっぱり「日本語は難しい」・・・・・・単純ではありませんね。


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