夫婦の顔が似てくる件について

「あの夫婦（カップル）顔が似てるね」

結婚して長い年月を共に過ごした夫婦や、長年連れ添ったカップルの顔が似てくるという話を耳にしたことはありませんか？
この現象は、単なる偶然や錯覚だけでなく、心理学や生物学の視点からも興味深い理由がありました。

一緒に過ごす時間が増えると、表情や仕草、生活習慣までが影響し合い、その結果として顔立ちや表情が似てくると考えられています。
今回は、なぜこのような現象が起こるのか、その理由を解説していきます。

▶︎心理学でいう「ミラーリング」効果

「ミラーリング」とは、好意を持っている相手の表情や動作などを無意識に真似てしまう現象のことです。お互いのコミュニケーションがうまく進んでいる時には、ミラーリングが特に活発になることがわかっています。

長年一緒に生活を続けていたら、この「ミラーリング」効果により行動やしぐさが似てくるのは当然ですし、表情も無意識のうちに真似している可能性もあるので、結果的に顔が似てくるという現象も説明できます。

▶︎もともと似ていた？

実際には夫婦が出会う前から似ていた可能性があるという興味深い説も存在します。

まず、心理学の観点から「類似性の引力」という現象があります。これは、人々が自分と似た特徴や価値観を持つ他者に対して魅力を感じやすいという理論です。外見的な特徴もこの類似性に含まれ、顔の形、髪の色、目の大きさなど、無意識のうちに自分と似た特徴を持つ相手に惹かれることが多いのです。このため、夫婦が出会う前から似ている場合が多いと考えられます。

▶︎生理的な変化によるもの

夫婦の顔が似てくる生理的な変化について、以下のように詳しく解説します。

1. 加齢による肌の変化

加齢とともに、肌は次第に変化します。この変化は、夫婦が同じ環境で生活している場合、同様の影響を受けることが多いです。

年齢を重ねると、皮膚の弾力性が低下し、シワが増えます。夫婦が同じ表情を頻繁にすることで、同じ場所にシワができやすくなります。
また、紫外線やストレス・加齢により、肌に色素沈着が生じます。夫婦が同じ環境で同じように日光を浴びることで、類似した色素沈着が見られることがあります。
乾燥や脂分のバランスが変わることで、似たような肌の質感になることもあります。

2. 体重と脂肪の分布

夫婦が一緒に生活することで、食生活や運動習慣が似てくることがあります。これが体重や脂肪の分布に影響を与え、顔の形や輪郭が似てくる原因となることがあります。

同じ食生活や運動習慣を持つことで、夫婦は似たような体重の変動を経験します。これにより、顔のふくらみや輪郭が似てくることがあります。
加齢とともに、特定の部位に脂肪が蓄積しやすくなり、夫婦が同じような生活を送ることで、脂肪の分布が似てくることがあります。

3.ホルモンの影響

加齢に伴い、体内のホルモンバランスも変化します。このホルモンの変化が、夫婦の顔の特徴に影響を与えることがあります。

エストロゲンやテストステロンのバランスが変化することで、皮膚の質感や毛髪の状態が変わることがあります。これにより、夫婦の外見が似てくることがあります。
また、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが高くなると、肌の老化が進むことがあります。夫婦が同じストレス環境にいる場合、この影響が似てくることがあります。

▶︎まとめ

夫婦の顔が似てくる現象は、多くの人々にとって興味深いテーマです。この記事では、夫婦の顔が似てくる理由として、ミラーリング効果、もともと似ていた可能性、生理的な変化の3つの要因を探りました。

まず、ミラーリング効果について説明しました。夫婦が長期間一緒にいると、お互いの表情や仕草を無意識に真似ることが多くなります。この現象は、感情の共有やコミュニケーションの円滑化に寄与し、結果的に外見が似てくる一因となります。

次に、もともと似ていた可能性について触れました。心理学的に、人間は自分と似た特徴を持つ相手に魅力を感じやすいという「類似性の引力」があります。さらに、遺伝子的に似た者同士が結びつくことは健康な子孫を残す上で有利であると考えられており、これが夫婦が出会う前から似ていた理由の一つかもしれません。

最後に、生理的な変化について詳しく解説しました。加齢による肌の変化、体重と脂肪の分布、表情筋の発達、ホルモンの影響などが、長年一緒にいることで夫婦の顔が似てくる要因として挙げられます。これらの生理的な要因が複合的に作用することで、夫婦の外見に類似性が生まれるのです。

これらの要因を総合的に考えると、夫婦の顔が似てくる現象は、心理的、生理的、環境的な複数の要因が絡み合った結果であると言えます。今後もこの現象についての研究が進むことで、さらに詳しいメカニズムが解明されることを期待しています。