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動物園横の小さな家#3
翌日2階のベッドから起き上がると、部屋の惨状が否が応でも目に入った。
昨日はそのまま眠ってしまったらしい。
重い腰を上げ家具などを元に戻し、割れた花瓶などを片付け始める。
一度掃除を始めると、徹底的にやってしまうのが僕の悪い(?)癖である。
あらかた埃取りまですませ、比較的荒れていないバス、トイレの掃除を始めようとした時…
"カチリ"と鍵の開く音が青い扉からきこえた。
その音に身構えると、
動物園横の小さな家#1
僕は病気を持っている。
三十代はじめに発現したものだ。
疲れた時などに小さな声で人の話し声が聞こえると言ったものだ。
所謂幻聴である。
そんな僕もそれなりに働き、つい先日小さな一軒家を購入した。
動物園の横にある小さな二階建ての家である。
洋風の白い外観と内装の家はレトロで可愛く気に入った。
何よりも破格の値段で、買い手がないのが不思議なくらいだ。
動物の声で病気が紛れるのではとおもい踏み切
動物園横の小さな家#2
その珍客とは煌めく様な白い毛の仔馬だった。
その小さな動物はいななきながら、用を足し終えた私が目に入るやいなや突進して来た。
暴れ狂う様な仔馬は咄嗟にトイレを出て逃げる僕を追いかけて、2階を走り回りところ構わず家具を蹴り倒していく。
逃げ疲れて来た私に例の小声が聞こえてくる。囁く様なじいさなその声は悲鳴の様に聞こえる。
それが仔馬の挙動と一致すると気付いたのは少し経ってからだった。
「落ち