『だいじょうぶ だいじょうぶ』 いとうひろし 作・絵 講談社
小さい小さい頃の思い出。
子供心に、記憶はしっかりと、でもなんとなく、なおぼろげなものも残っている。
時にはその記憶が、悪さをすることもあるし、救ってくれることもあったり、、殆ど忘れていってしまっているようで、ふとした瞬間に思い出す、記憶。人間の脳の仕組みって、どんなふうになっているんだろう。 不思議。
毎日おんなじ道を散歩しても、歩いている人は違うし、季節が変われば、葉っぱの色も空気の重さも違う。雨が降る日も、カンカン照りの暑い日もあったりして、同じ日はきっとない。
おじいちゃんに手を引かれて、毎日同じ道を散歩しながら、小さくても変化する出来事を、感じ取って味わっている、ぼく。 おじいちゃんとぼくの平穏なやり取りの中に、大事なことが、ぎっしり詰まっています。
“だいじょうぶ、だいじょうぶ。”
守られている安心感。存在を認めてくれる自己肯定感。信頼する、思い遣り。
心の育みは、いつも、変わり映えのないと思いがちな日常の中から、、人間も歳をとる。
おじいちゃんがしてくれたように。
“”だいじょうぶ、だいじょうぶ。“”
この“ぼく”が、おじいちゃんから教えてもらった大切な物が、しっかり刻まれています。
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