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『ちいさなちいさな王様』    アクセル・ハッケ作      ミヒャエル・ソーヴァ絵    講談社


ある日、ふらりと部屋に現れた、人差し指サイズの小さな王様。


オススメの本に紹介されていて、表紙の王様の立たずまいとコーヒーカップが好みで、図書館にリクエストした本。

図書館に取りにいくと、100ページ強ほどあって、いつも読む絵本より字も小さめ。

少し長めの絵本に尻込みした。大体20分以内で、子供と読める絵本をいつも読んでいる。でも、挿絵は可愛いし、なんとなく読めるかも。と思いながら、今回は1人で読んでみた。

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結論からして、もうこれは哲学書だなぁ。

概念が吹き飛ぶような、王様とこの家に住む男の人のやり取り。とっても面白かったのです。  

小さい王様の世界では、生まれた時は大きくて、歳をとるにつれて、どんどん小さくなり、どんどん忘れていく。それが、王様の国では偉いこと。私達いわゆる人間は、小さく生まれて、どんどん大きくなって、また小さくなっていく。それが、僕たちの世界だ。と男は言う。

王様は、【実はおまえたち人間も、最初は大きんじゃないか? 生まれたとき初めに全ての可能性を与えられているのに、毎日それが奪われて縮んでいく。どんどん想像の可能性が小さくなって、知識だけは増える。歳を重ねると大きくなるより、小さくなっていくんじゃないのか】

身体のことを思っていたわたし、王様の言葉に、思考と想像が行ったり来たり、、そんなやり取りが100ページの中に形を変えて繰り返されています。

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”毎日つまらない仕事に行く。寝る時に見る夢は、放っちゃかめっちゃか、でも、自分でコントロールできない、面白い出来事が起こる。

起きてる時が夢で、寝ている時が現実なんじゃないか。”

ソーンな発想!なんて素敵✨

私達は、知識が増えていくと、ある程度の出来事に対して要領よく対応していく。パターンが想定できるから、そつなくこなせていけるようになる。それも成長に必要な部分だろう。

ただ、子供の頃に、出来もしないような想像をしてみたり、できるか出来ないか分からないから、ただただワクワクして思い巡らせた頃、それは、とても楽しくて、未来に期待するように、ただその時が嬉しかったりする。

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固まっていく頭の中。

もっと柔軟に生きていきたい。と思っている。

想像と現実の世界をバランスよく生きること。

子供と一緒になって遊ぶと、意味がわからないけど楽しそうで、豊かなイマジネーションに溢れていることがわかる。

”目をつぶって、お互いを強く抱きしめあって飛び降りるのさ。怖い気持ちを乗り越えて。最後まで抱きしめ合えていた2人は、トランポリンのように飛び跳ねて、空にある星を一つ⭐️とってくる。それが、ぼくだよ。”

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何回も読み返してみたい、この本は。

まだ、わたしの中に落ちてこない部分がある。

頭で考えすぎているのか、、思考の外側にいくには、やっばり、息子ともう一度読むことかな。

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