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丁寧な暮らし2.0 〜不倫と読書感想文〜


こんにちは。
桜がきれいに咲いている割に
我々は仕事に追われ
なかなかゆっくりそれを
眺める時間もない日々ですが
お元気ですか?

桜はとてもきれいなのに
年に数日しか咲かないのが
愛しくもあり切なくもあり
心強くもありますね。

そんなわけで私は
桜の咲いている期間には
1日に15分はじっと
桜の樹や枝や花を
見つめる時間を
もうけています。

1日15分、
4日で1時間。
無駄な様ですが
この無駄こそが
丁寧な暮らし2.0の
醍醐味という気がします。


さて、今日は不倫と読書感想文
という不穏なタイトルになって
しまいました。
でも変な内容ではないです。

不倫真っ只中の方の話を
聞いたり、不倫の本を読んだり
不倫カップルのドラマなどを
みたりすると
どうも
「出会うのが遅すぎた」
「出会い方が悪かった」
というニュアンスの言葉を
耳にしたり目にしたりします。

これを口にするのは
大抵の場合
「不倫を不倫のまま
終わらせたがっている
既婚者の側」であります。

「不倫の恋を成就させて
結婚しようとしている人」は
なかなかこういう事は
言わないという印象です。
(ところで不倫、というネーミング
嫌ですね。もっと確信をついた
言い方がある気がしますが
それについて語ると長くなるので
また別の機会に)


私は子供の頃から
不倫が大嫌いですので
ここで言いたいのは
上記の不倫当事者2名のうち
どちらがより悪いかということでは
ありません。
不倫に関して言えば
どちらも最悪、両者とも
むちむちになってしまえ、
と思っている日々です。
(まあ、むちむちが必ずしも
悪いわけではないですが
それについて書くと長くなるので
また別の機会に)

ではなぜここで
不倫をとりあげたかと
申しますと、
私は不倫を嫌っているにもかかわらず
昔から
「出会い方が悪かった」
という言い訳を頻繁に
使ってきたという負い目があり
それが初老を迎えた今、
真に胸に迫り
心苦しさを感じ始めているから
であります。


その言い訳、つまり
「出会い方が悪かった」を
私は小学校高学年くらいから
使ってきました。
愚かな事です。

どんな時に使ってきたかと
申しますと、
今回のこの文章のタイトルから
お察しの方はいらっしゃるかと
思いますが
読書感想文の序文としてです。
私は幼少の頃より
この言葉をかまし続けて
まいった次第です。


夏休みなどに読書感想文の
課題図書を読む。
読まされる。
読みたいものも、
読みたくないものも
とにかく読まなければならない。
その上で、
感想を書かなければならない。
感想を書くことを前提に
読むので、読んでいる時も
「ここについて気持ちを述べようかな」
とか
「ここを引用したら伝わるかな」
などと邪心を混じえながら読む。

頭の良い方々は
本を楽しみながら読み
後から思い出して
感想を書けるのだと
思いますが私の様な者は
ワーキングメモリがおよそ
2ビット未満ですので
読書によって感情を
揺さぶられることと
課題をこなす為に記憶することとが
同時に頭の中でうごめくと
大変に脳に負荷をかけてしまいます。
よって宿題を投げ出すことになる。

で、ありますから、
そうならないために
読みながらメモをとる。
そうすると本の中の場面場面に
なかなか集中して入り込んで
いくことができない。
感動して目頭が熱くなりながらも
冷めた目でメモを取り宿題を
進めている自分がいる。

そんな不恰好な読書体験の
感想を書けといわれたら、
まず提出先の教師に対して
半ば恨む様な調子で
「出会い方が悪かった」と
言わざるを得えません。

そうすると、以下の様な
序文になります。


先生方が課題図書に
これを定めたばかりに
僕は嫌な気持ちで
こんなに素晴らしい本を
読まなければなりませんでした。

内容には確かに
感動しました。
しかし宿題であることが
邪魔をして、
感動は5割も6割も減りました。
この素晴らしい本と、
もっと違った形で出会いたかった。
出会い方が悪かった。
とても残念です。
こんな感想をもつ生徒が毎年
何人もいることでしょう。
にもかかわらず
先生たちは毎年、
課題図書を選定し、
読書感想文を書かせるんですね。
しかしながら、先生たちも
お仕事でされていることです。
こんなことを
言っても仕方がないので
これから感想を書きますが
僕が本来感じるはずだった
心の震えは
本来、ここに記載する何倍も
大きなものになるはずでした。
しかし、課題図書だったばかりに。

感想文を書くことを
課されているばかりに
その感動は何割も減った状態で
僕の心に残ったのです。
出会い方が悪かった。
これが本当の僕の1番の感想です。
それをどうか
今後も読書感想文の宿題を出す度に
思い出していただけると幸いです。


詭弁であります。
完全なる詭弁。
いや、本心ではあるので
詭弁とも少し違う。
文字数稼ぎ。
水増し。
先生、お気の毒に。


さて、まとめます。
無理やりまとめます。
不倫は良くない。
そして、読書感想文は
ある種の強制力により
アレルギーを生む可能性も
あるものの
本に触れ、文字を書く鍛錬
という意味では
必要な部分もあると思われます。

しかし、水増しはあまり良くない。
そんなことをするなら
本当に心から思ったことを
読書をきっかけに書くのが
いいのではないか。
表紙の感想でも
紙質の感想でも。

読者としての生徒たちの
本当の感想を受け入れる
度量が出題者側にあるならば
意味はあるかな、と思います。
簡単にいうと
「難しかった」
とか
「よくわからなかったから
書くことがないので
最近読んだ漫画の感想と
家族で行った海水浴の感想を
書きます」
という代替感想文を書いても
許される自由があったらいいかな
と思ったりするわけです。
感想は自由に!
気持ちを解放せよ!
不倫は不自由に!
全員粛清せよ!
みなさまごきけんよう。

(了)

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